四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『いきなり計算をするのではなく...』

2017.04.14

「36÷12-7÷12+19÷12= 」
計算テストでよく見かけるタイプの問題です。お子様はどのように解くでしょうか。
いきなり「36÷12=3」というところから始めてはいけないことは、保護者の皆様ならばすぐにおわかりいただけると思います。「(36-7+19)÷12=4」と解いていくのが正しい考え方です。
しかし、テストでこの問題を目にした生徒は、急ぐあまり、いきなり「36÷12」をやり始めます。そして次に「7÷12」の筆算を書き始めたりするわけです。割り切れないことに気づいて分数にすればまだよいのですが、そのまま解くのをあきらめてしまう生徒もいます。


「計算問題ではあわてずに、なるべく全体を見て、どういう解き方をするのが一番よいかを考えなさい」という話をよくしています。上記のような割り算では、割り切れないところで「あれ?」と気付くこともできるのですが、かけ算などでは「力技」で答えを出し切る生徒がいたりもします。
「33.74×73+24.28×73-48.02×73= 」というような問題で、「33.74×73=2463.02」「24.28×73=1772.44」「48.02×73=3505.46」と筆算でがんばって答えを出し、「2463.02+1772.44-3505.46=730」と答えを出し切るわけです。ここまで計算ミスなく処理できるのはある意味すごいことではあるのですが、もちろんそれが求められている問題ではありません。ただ、正解が出てマルをもらうことはできるので、「これでよい」と思ってしまうこともあるのです。
小5になると「円」の問題で円周率が出てきます。3.14の計算を何度もしなければならない問題が多く出てくるのですが、この単元ではどの塾でも「3.14の計算は最後に」という指導をしているはずです。それも計算の工夫のひとつということです。


問題にとりかかる前にまずは「解き方の流れ」「解答までの道筋」を考える、というのは、計算だけに限らず算数の問題すべてに当てはまる考え方です。実際の入試問題では、パッと見ただけで解き方がイメージできる問題は限られています。特に合否を決めるような応用的な問題では、問題文を見ただけで正解までの道筋が思いつくものは少ないでしょう。そういう問題の場合は、まず問題文を整理することが必要です。図に表してみたり、必要な部分の数字を抜き出してみたりすることで、自分が考えやすいようにするわけです(難しい問題の場合はここが一番大切な手順・部分となります)。そして、どのような処理をすれば解答にたどり着くのかをイメージします。ここで解答までの道筋が見えれば、その問題は「できた」も同然です。逆に解答までの道筋が見えなかった場合は、切り口を変えて考えてみるか、いったんとばして後で解きなおすかという判断をすることになってきます。この流れがスムーズにできるようにトレーニングをしていくのも、受験までの算数学習の非常に大切な要素なのです。


低学年のうちから、問題を見てすぐに計算を始めたりするのではなく、どうすれば一番効率よく解答までたどり着けるかを考えるという「一呼吸」を意識できるように、ご家庭でもご指導いただくのがよいでしょう。

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