『気持ちは伝わる』
2026.08.28
日々の生活のなかでは、いろいろなことが起こります。「楽しいこと」「うれしいこと」もあれば、「苦しいこと」「つらいこと」も起こるでしょう。そして、そういった出来事は個人の感情にも影響を与えます。うれしいことがあれば笑顔で一日を過ごすことができますし、つらいことが起これば前向きな気持ちになるのが難しくなるのは、当たり前です。
お子様自身も日々、いろいろな出来事に出会っているのではないでしょうか。「テストの成績がよくて塾でのクラスがひとつ上がった」ときにはうれしくて、さらに前向きに学習に取り組むことができるようになるでしょうし、「頑張ったのに成績がよくなかった」というときには思わず下を向いてしまう……ということもあるでしょう。そんなときにお子様が「前を向ける」ようにするために、保護者様のサポートが大切になってくるのは言うまでもありません。そして、「うれしい」「つらい」と感じるような出来事は、勉強に関することだけではなく、それ以上に毎日の生活のなかで多く起こっているはずです。「学校での生活」や「友人関係」はもちろん、高学年になってくると「異性への感情」に関するものもあるのではないでしょうか。
テストの成績は、受験したときの精神状態が反映されることが多いものです。高校生くらいになれば、どんな精神状態であっても、テストのときにはある程度自分を律して目の前のテストに集中することもできるでしょう。しかし、小学生の場合には精神的に未熟ですから、精神状態がそのまま結果として現れることが多いものです。そのときの心情によっては、問題に集中できないまま実力の50%も出し切れず、半分以上「空欄」の解答用紙になってしまった……ということもあるでしょう。
毎日いろいろな出来事があるのは、大人も同じです。お父様やお母様も、ときにはご家族全体としても、「明るい出来事」や「つらい出来事」があるはずです。そして、そういったときのお父様やお母様の心情を、お子様方も敏感に感じ取っていると思うのです。
犬を飼っていたことがあります。「犬は人の気持ちがわかる」とよくいいますが、飼ってみて本当だとわかりました。私自身がつらい気持ちになっていると、犬が心配してくれているのを感じていました。ときには、犬自身が「挙動不審」になったり、「体調」を崩したり、ということもありました。特に私の両親が他界する前後には、そんな様子が顕著に見受けられました。
お父様・お母様の心情の変化を、お子様は大人が想像するよりも敏感に感じ取っているのではないでしょうか。「うれしい」「楽しい」というポジティブな心情であれば問題はないですが、「悲しい」「苦しい」といった心情の場合は、難しいと思います。お父様やお母様の「悲しさ」「苦しさ」に対して、お子様はどのようにすればよいか考えつかないでしょう。「お母さん、大丈夫?」という言葉をかけるのが精いっぱいなのではないでしょうか。お母様はきっと「大丈夫よ。心配しないで」とお答えになるのだと思いますが、それが本心ではないことも、お子様は感じ取ると思うのです。結果として、お子様自身も晴れやかな気持ちでいることはできないと思います。
では、どうすれば……ということになるのですが、「特効薬」はないというのが私の結論です。つらい出来事に直面したときに、「こうすれば、気持ちが前に向く」という方法があれば、そんなにいいことはないと思うのですが……。「明けない夜はない」というのは、よく聞く言葉ですが、やはりその通りだとも思います。「時間が解決する」ということもあるでしょう。
そして、つらい出来事を乗り越えるための大きな支えになるのが、やはり「一番身近な存在」である家族なのではないかと思います。言葉にしなくても「つらさ」を理解し、心を寄せてくれる……それだけで、心の負担が少し軽減することもあるのではないでしょうか。
もしもお父様・お母様がつらい出来事に直面し、お子様に「大丈夫?」と声を掛けられたときには、「大丈夫よ」の後に「心配しないで」ではなく、「心配してくれてありがとう」と付け加えてみてください。その一言で、お子様は「自分も家族の一員として力になれた」と感じられるかもしれません。そして、自分がつらい出来事に直面したときにも「でも、自分にはわかってくれる家族がいる」と思えるのではないでしょうか。
毎日の生活のなかでは、「つらいこと」「苦しい時期」もあるとは思います。それらをご家族で共有し、乗り越えるためには、「うれしいこと」「楽しいこと」もたくさん経験し、その想いを共有しておくことが、一番大切なことのように感じています。
- 2026.08.28 『気持ちは伝わる』


