四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『小学生の視野・視点①』

2018.09.14

まだ残暑が厳しい日もありますが、だんだんと秋を感じさせる日が増えてきました。季節の変わり目は、油断をすると体調を崩してしまいがちですので、どうぞお気をつけください。


今回は、「小学生の視野・視点を理解して接する」という点について書かせていただきます。これは、私が小学生の指導をするうえで気をつけていることの一つでもあるのですが、ご家庭でお子様と接する際のヒントにもなると思います。


当たり前のことですが、大人と比較した場合、小学生の視野は広くありません。たとえば「計画性」という点においても、小学生のお子様は一週間先のことすらはっきりとは見えていないのが普通です。8月の終わりになってあわてて夏休みの宿題をやった……という経験をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、それは約40日という長い期間を先まで見通すことができず、二学期の始業式直前になってやっと気がつく、という、子どもならではの視野の狭さによるものだといえます。


中学受験へ向けた学習においては、この視野を広げていくことが精神的な成長につながり、結果として成績にも大きく関わってくると考えています。


私は科目学習の指導のなかでも、よく「全体を見なさい」とか「全体像をとらえて考えなさい」と伝えています。視野を広く持つということは、「全体をとらえる意識を持つ」ことから始まるといってもよいかもしれません。


国語では、文章の全体が見えていないと、「要旨」や「主題」をつかむ、といった重要な設問に対応できません。たとえば、説明文の初めに出てきた具体例に気を取られて、文全体のテーマや筆者が述べる結論部分を読み違えてしまう生徒がいます。物語文でも、登場人物の背景がとらえられていないために、心情がうまくつかみきれないことがあります。これはもちろん「読解力」の問題でもあるのですが、その根底として「全体をとらえる力」が未熟だ、といえるでしょう。


算数でも、複雑な図形の問題などは、全体をしっかりと見なければ必要な位置に補助線をひくことができません。また、難度の高い問題を解くためには、問題を見て「解答までの過程」をイメージするという感覚が必要になってきますが、これも「全体をとらえる」という意識が影響してくる部分です。


理科・社会でも、「全体」を把握してから「細部」の学習に進むことが大切です。以前、歴史が苦手な生徒がいました。毎週、テキストに出てくる人名や語句、年号などをがんばって覚えてきていたのですが、テストではなかなか点数に結びつきません。歴史の学習方法についてアドバイスをするための面談で、「平安時代の前はなに時代?」と問いかけてみたところ、首をかしげてしまいました。その生徒は細かいところを覚えるだけで、大きな時代の流れをつかんでいなかったため、覚えた知識が定着しておらず、使いこなせるようになっていなかったのです。地理でも同様で、山脈や川の名前を覚える前に、日本地図がきちんと頭の中に入っていないと、せっかく知識を覚えてもなかなか定着しないものです。


少し長くなってしまいそうですので、この続きは次回のブログで書かせていただきます。


なお、先日ご紹介させていただきました「第3回クローバーセミナー」ですが、会場定員に達してしまいましたので、お申し込みを締め切らせていただきました。お申し込みいただいた皆様、ありがとうございました。当日、会場でお待ちしております。

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