四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『子どもを理解する』

2021.10.06

保護者の皆様向けのセミナーなどでよくお伝えすることであり、このブログの基本的なスタンスでもあるのですが、私がお話していることや、書かせていただいていることは、絶対的な「正解」ではありません。お子様は、一人ひとりが別の個性を持っていますので、「絶対に」うまくいく方法などは存在しないというのが、私の基本的な考え方です。私なりに児童心理学や教育心理学なども勉強しているのですが、それらをお話しするというよりも、実際の進学塾の現場で経験したことや考えたこと、生徒たちに教えてもらったことから、保護者の皆様にアドバイスやヒントを、このブログでは書かせていただいているというイメージでお読みください。


お子様の性格やタイプ、そして精神的な成長段階はさまざまです。さらにはお子様をとりまく環境もそれぞれ異なります。「効果的な学習の仕方」や「成績の伸ばし方」もそうですが、「前向きな気持ちのつくり方」や「充実した毎日の過ごし方」なども、「こうすれば必ずうまくいく」という「王道」があるわけではありません。
書店にはたくさんの「子育てのための本」や「受験で成功するための本」が並んでいます。一般的なことが書かれているものもありますし、「特殊・特別な方法」が書かれているものもあります。時として話題になるのは、少し「突飛」なものだったりすることもあるようです。そういったものの方が話題にはなりやすいのでしょう。ただ、それらに書かれていること(一般的なことも特殊な方法も)はすべてのお子様に当てはまるものではないはずです。私がブログに書かせていただいていることも、セミナーでお話しさせていただいていることも、中学受験を目指す進学塾の生徒たちに目線を合わせた「一般的」な内容です。


そしてそれらの中から、お子様に合った考え方や方法を選ぶのは、保護者様の大きな役割だと思うのです。ひとつわかりやすい事例を出してみます。


友達が朝の5時から毎日勉強していて成績が上がったという話を聞いて、朝が弱いお子様を無理やり5時に起こして勉強させるのは意味がないことでしょう。ここにおいて大切なのは、「子どもが朝弱いタイプである」という保護者様の(お子様に対する)理解にほかなりません。しかし、その理解が正しいかどうかという点も検証してみる必要があるでしょう。本来は「朝が弱いタイプ」ではないのに、夜寝るのが遅くなっているという生活習慣のために、朝気持ちよく目覚められなくなっているという可能性もあるわけです。さらに親から「朝が弱いタイプ」と言われているお子様は、自分でもそう思い込んでしまうことが多くあるのです。そして、毎朝なかなか「ベッド」から出てこない、起きてすぐに机の前に座ってもボーっとしたまま……そんなことになってしまう場合があります。


さて、上記の話の中に出てきた「朝が弱い」を「算数が(国語が・暗記が)苦手」に置き換えてみるといかがでしょうか。「漢字の暗記」が苦手だから、「国語は苦手」と思い込んでしまっている。「計算問題でのケアレスミス」が多いから、「算数は不得意」と思い込んでしまっている、そんなお子様はいらっしゃらないでしょうか。


お子様にとって最適な方法を考えるためには、スタートラインとしてお子様を客観的にご理解いただくことが必要だとお考えください。

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