四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『すべての教材を扱うわけではありません』

2017.02.17

早稲田アカデミーに限らず、中学受験を目指す進学塾は、一般的に多くの教材を扱います。新年度のオリエンテーションや、「新年度説明会」などで担当講師から教材の使用法についての話があったと思います。しかし、いざ実際に使い始めてみると、なかなか思うようには進んでいないのではないかと思います。保護者の皆さまにご理解いただきたい一番大切なポイントは、「教材に載っているすべての問題を扱う必要はない」ということです。


以前、ある難関私立中学校の校長先生にうかがった話です。
『うちの学校は教科書や問題集、プリントなどの教材がやたらと多いんですよ。もちろん全部やれるわけではありません。その中からクラスや生徒の状況に合わせて扱う問題を先生が決めるわけです。その取捨選択も先生の大切な仕事なんです』


進学塾の教材も同じような考え方をもとにつくられています。公立の小学校や中学校のように、その年齢のお子様であれば誰もが理解できるレベルの内容を扱っている場合は、教科書で扱われている内容の全てを完全に定着させなければなりません。しかし、発展的かつ応用的な思考力を養う中学入試用の教材の場合、学習習熟度や精神的な成長度合いによって、扱う問題そのものを変える必要があるのです。


さらに、問題の中には、その時点ではまだ独力では解き切れないものも含まれています。なぜ「できない」問題まで載っているのかと、保護者の方からご質問いただくこともあるのですが、一言で言うと、将来簡単に解けるようになるために先に見せて(考えさせて)おくためなのです。


小学校3年生時点では難しいと感じる問題があったとします。しかし4年生になると、(たいていの場合は)その問題は苦もなく解けるようになっているはずです。その間に成長し、様々な思考方法も身に付けることによって解決できるようになるわけです。そのためには自分の記憶の中に「できなかった」問題として残しておくことも必要なのです。その『記憶として定着させる』ためのツールがカリキュラムテストでもあるのですが、その話はまた別の機会にさせていただきます。


このように、塾の教材は、学校の教科書とは扱い方が違います。予習シリーズや各種の問題集、さらに土曜YT講座のテストまでを含め、お子様の状況に合わせて、全てを扱おうとするのではなく、取捨選択をするようにお考えください。迷われたら、まずは担当講師までご相談ください。

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