四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『空にわたがしが浮かんでいる』

2013.04.19

昨日、志木校における小3授業の第二回目を行ってきました。一番うれしかったのは、授業が終わってシールを配っているときに、一人の女の子が「塾、楽しい!」と言ってくれ、それに合わせて他の生徒も「楽しい!」「楽しい!」とみんなが言ってくれたことです。昨日の授業内容は「慣用表現」「比ゆ・擬人法」「敬語」と盛りだくさんで、楽しいお話をしている暇などなかったのですが、新しいことを学ぶ楽しさを感じてくれたのだと思います。


以前の記事にも書かせていただきましたが、学ぶこと本来の楽しさを理解することが小3から小4時の授業における一番の目的ですから、担当し始めて二回目でそんな風に感じてくれたことに、大げさですが感動するほどの喜びを感じました。その気持ちを継続できるように、さらに大きく強く感じてもらえるように、今後もがんばっていきたいと決意して帰ってまいりました。


さて、小3から小4のテキストに出てくる国語知識に関しては、その段階で完全に定着させる必要はありません。先に書きましたが、今週の小3学習単元は本当に盛りだくさんで、その全てを理解し、咀嚼することは非常に難しいことですし、一般的には無理な話です。この時点では「ふーん、そういうのがあるんだぁ」という程度の理解でかまいません。小4終了までに、国語知識の基本的なものについて触れておき、細かい部分や知識としての定着は小5以降に行うことになってきます。


なんとなくのレベルでかまいませんので、全体像を把握してから、細部をつめていくようなイメージです。全体像を把握する段階であまりにも細かい知識にこだわってしまうと、逆に全体がぼやけてしまうことにもなりかねません。たとえば、社会の歴史でも全体の大きな流れを理解しようとせずに、細かい年号や人名ばかりにこだわってしまうと、歴史そのものが苦手になってしまうのと同じことです。


今回の小3テキストの「敬語」を例にとると、一応「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の説明があり、「食べる」の尊敬語は「めし上がる」、謙譲語は「いただく」など細かいところまで書かせるようになっているのですが、それらを全て覚える必要はありません。「目上の人、年上の人、お客様などには敬語を使うんだ」ということが理解できれば心配はいりません。小4になったときに「そういえば、ケンジョウゴってどっかで聞いたことあるぞ」と思い出すことができればよいのです。


今回はそんな国語の知識の中で「比ゆ表現」について書かせていただきます。実は「比ゆ表現」を理解することは、国語力の向上に非常に効果的なことなのです。ひとつの言葉にはさまざまなイメージがあります。そしてその組み合わせによって、言葉や文のニュアンスは大きく変わります。「ふくらむ」と言ってもよいかもしれません。たとえば「北」という言葉は、単に方向を示す言葉ではありますが、そこにさまざまな言葉を付け加えると、いろいろなニュアンスが付加されることがお分かりいただけるのではないでしょうか。「北の大地」「北の国」「北の風」「北の宿」・・・。日本では「北」というと「寒い」「雪国」「北海道」、そんな言葉のイメージが連想されるはずです。


「空にわたがしが浮かんでいる」という表現の中の「わたがし」とはなんでしょう。生徒に問いかけると「雲!」という答えが返ってきます。一言で答えさせるのならば、それで正解です。でもそれだけでは完璧な正解とはなりません。「雲」にはいろいろな雲があります。空一面を覆っている雲、筋状になっている雲。「わたがし」という言葉の持つイメージ、それをしっかりとつかんで答えさせることが必要なのです。


「『わたがし』ってどういうものかな?」「白い!」「ふわふわしている!」そんなやり取りのなかで、「白くてふわふわ柔らかそうな雲」というような答えに行き着くように、ご家庭でもお話いただくのがよいと思います。

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