四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『「焦り」や「不安」をぶつける』

2018.11.21

11月も残り10日を切りました。首都圏で一番早く行われる中学入試は(帰国生対象試験を除くと)、千葉県の私立中の一部で行われている「第一志望入試」です。例年12月1日に行われますので、あと一週間半ということになります。受験を予定している方は、すでに「最後の追い込み」という時期に入っていることでしょう。また、千葉県では県立中高一貫校(県立千葉中・県立東葛飾中)の一次試験(一次検査)が12月8日(土)に行われます。


私が勤務している錦糸町校では、先日、「小6入試直前期保護者会」を実施しました。これから2カ月間、受験生の保護者の皆様は「やるべき」ことがたくさんあります。「受験パターンの確定」「願書の準備」「インフルエンザの予防接種」などなど……。そして「受験生本人のケア」。入試直前になると受験生にも「焦り」や「不安」が出てきます。普段はいつも笑顔なのにだんだんと笑顔がなくなってきたり、ふとしたことで感情的になったり、お友だちとのトラブルに発展したりすることもあります。そんなお子様の精神面のケアも必要になってくる時期です。また、保護者の皆様自身も「焦り」や「不安」が募る時期でもありますので、「直前期保護者会」の中ではそういった場合の対処法などについてもお話しいたしました。


一方で、中学受験に関しては「知識」として研究することはできても、実感としてそれをとらえることはなかなか難しいものです。入試問題を見ても、現在のお子様の状況から、そこまでたどり着く道筋はなかなか見えてこないものです。逆に、道筋のあまりの「遠さ」に「不安」を感じてしまうこともあるはずです。ご兄弟が入試を経験されていれば、ある程度はつかめることもあるかもしれませんが、それでも「いまの状態から最終的なゴールまで、本当にたどり着けるのか」という気持ちは常につきまとうのではないでしょうか。


そういった「焦り」や「不安」を感じた場合は、塾の講師にご相談いただくのが一番よい方法だと考えています。相談というよりも、気持ちをぶつけていただくという表現の方が適切かもしれません。我々は毎年多くの受験生を担当しておりますので、どのように進めていけばゴールまでたどり着くか、そのゴールに対していまどのあたりを進んでいるのか、という点については理解しながら指導にあたっています。保護者の皆様の「焦り」や「不安」を完全になくすことは難しいですが、軽減することはできるはずです。


さて、塾の先生に相談するときのポイントを2つアドバイスさせていただきます。

1つ目は、お子様を直接担当している先生に相談をすることです。お子様が早稲田アカデミー以外の塾に通われている方からご相談をいただくことがあります。その際は、模試の結果数値などから、志望校合格の可能性などをアドバイスさせていただくのですが、実際にそこでお話しできるのは一般的なことでしかありません。模試の偏差値や得点はあくまで現在の到達点でしかありませんから、ここからどれくらい伸びていくかという点に関しては、お子様の状況を見なければわからない部分が多くあります。性格やタイプもそうですし、そこまでの学習状況(蓄積されている学習)もあります。なによりも、中学入試の場合は「精神的な成長」が大きなカギを握りますので、どのような精神的成長段階にあるかを見なければ、どんなに経験のある講師でも、お子様の未来・将来を占うことはできないものです。


2つ目のポイントです。的確なアドバイスを求めるのであれば、最終的なゴールとなる志望校をはっきりと塾の先生に伝えることが大切です。たとえば「ここからだと、どの辺の学校が狙えますか」というご質問はとても答えにくいものです。まったく塾に通っていなくて、小6になる段階で通塾を始めた場合、一般的には最難関校に合格するのは難しいといわれています。しかし、もちろん絶対に無理なものでもありません。私が担当していた生徒でも、小6になる4月に入塾テストを受験し、合格ラインぎりぎりからのスタートだったのですが、10カ月後には最難関中の一つに数えられる学校に合格を果たした生徒がいました。


目指す学校が決まっているのであればその学校を、まだ明確に決まっていないのであれば、通わせたい中学校としてどのようなご希望があるのかをしっかりとお伝えいただくのがよいでしょう。そうすれば、そこに「届くか届かないか」という「占い」のようなアドバイスではなく、そこまでの道筋をどのように考えていけばよいのかを具体的にお伝えすることができます。4科目(2科目)の成績によるマイルストーンだけではなく、科目ごとの学習指針や、必要となる講座、学習時間、教材などについてもお話しすることができるようになります。「大丈夫です」「だいたいこのあたりの学校なら目指せます」という先生の漠然とした言葉よりも、これからの、より具体的な方向性を聞くことの方が、保護者の皆様の「焦り」や「不安」なども軽減されることでしょう。

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