四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『夏休みの読書感想文』

2026.07.01

7月に入りました。早いもので、夏休みも目の前です。夏休みに学校から課される宿題の代表的なものに「読書感想文」があります。保護者の皆様も、子どものころ夏休みに取り組まれた方が多いのではないでしょうか。「読書感想文コンクール」に学校単位で応募するなど、力を注いでいる小学校もあるようです。一方で、夏休みの学校の宿題量については、減らす方向の学校が多くなっているようです。「読書感想文」や「自由研究」などが自由選択になっている学校もあると聞きました。私は、「国語力」という点で考えると読書感想文を書くことによる学習効果は高いと考えています。「読解力」「記述力・表現力」を高めるという点からも、さらにはその前段階として「読書に対する興味を持たせる」という点からも、ぜひうまくご活用いただきたいと思います。「宿題になっているから……」という気持ちでしぶしぶ取り組むのではなく、前向きな気持ちで取り組むのがよいと思います。


中学受験へ向けた小学生の国語力の土台となるものの一つに「語彙力」があります。特に小学4年生ごろまでの国語の成績は、「語彙力」で決まると言っても過言ではないかもしれません。単に「言葉をたくさん知っている」ということだけではなく、「小学生の日常生活にはない言葉の使い方がわかる」「普段自分では使わない言葉も使いこなせる」ということが、本当の意味での「語彙力」です。そう考えると、わからない言葉を辞書で調べたり、テキストや教材に載っている「言葉の知識」という単元を丸暗記したりすることだけが「語彙力」を高めるわけではないでしょう。「読書」によって「生きた言葉」に触れたり、文章を書きながら自分もその言葉を使ってみたり……という経験も大切になるのです。「読書感想文」はそういった力を身につけるために非常に効果があるはずです。


「読書感想文」を書くためには、当たり前ですがまず「本を読む」ところからがスタートです。皆様は「読書感想文」の本をどのようにお選びになっていらっしゃいますか。夏休みの宿題として「読書感想文」が出されて、そこから本屋さんに行ってお子様と一緒に探す……そんなスタイルではないでしょうか。もちろん、それが悪いわけではないのですが、もう少し早い時期からご用意いただいてもよいと思います。「読書感想文」を書くための本を「この1冊」と決めてスタートを切るのではなく、何冊かの本を読んでそこから一番書きたい本を選ぶ、という方法も、国語の学力向上という点では効果的だと考えています。


さて、その本の選び方なのですが、保護者会では「塾のテキストやテストに載っていた作品」をお勧めしています。多くのお子様が、「国語のテキストに載っていた作品の続きが気になる」という経験をお持ちではないかと思います。そういった作品を、書店や図書館、あるいはインターネットで探していただき、まず読んでみるという方法をお話ししています。塾の教材に掲載されている作品は、その学年のお子様よりも少し上の年齢を対象としたものが多くなっています。ですから、先ほど触れた「語彙力の向上」のためにもなりますし、お子様の精神的な成長にもつながると思います。何よりも、お子様自身が「読んでみたい」と思った作品であれば集中して読んでくれるはずです。


本の選定は、「夏休みに入ってからでなくてはならない」と決められているわけではありません。だからこそ、この記事は夏休みよりも少し早いタイミングで書かせていただいています。つまり、今から「本選び」と「読書」を始めてもよいと思うのです。そうすれば、夏休みに入ったときには何冊かの「感想文を書く候補となる本」を読み終わっているはずです。


そして、夏休みに入って、いよいよ「感想文」に着手ということになるのですが、ここで2回ほどお子様との「会議」を行っていただきたいのです。


1回目の「会議」は「どの本をテーマにして感想文を書くのか」という点が議題となります。何冊かの本を読み終えたお子様のなかには、「この本の感想文を書きたい」という気持ちができている場合もあるでしょう。また、「どれにしようか迷っている」という場合もあると思います。いずれの場合も、お父様やお母様との会話を通して、本の内容をもう一度思い出すことになります。


「感想文を書く本」が決まったら、できればもう一度その本を読ませてみることをお勧めします。「あらすじ」は頭に入っているはずですから、今度は細部にも気を払いながら読むことになるでしょう。再読が終わったら、2回目の会議です。今度は、「その本について」が議題となります。この時点で、お子様の頭のなかにはさまざまなイメージや感想が残っているはずです。しかし、それをそのまま原稿用紙に言葉として表現するのは小学生には難しいものです。頭のなかにあるものが整理されていないこともあるでしょうし、またそれを表現するための語彙も不足しているはずです。お父様やお母様と会話することで、頭のなかは整理されていきます。もし、お子様がうまく表現できないような感情があるようでしたら、使う言葉を少しアドバイスしてあげるとよいでしょう。この会議は、まず「お母さんも読んでみようと思うのだけれど」「どんな場面が印象に残っている?」というような問い掛けから始めていただくのがよいのではないでしょうか。あくまでお子様の感想を引きだすのが目的なので、誘導的に進めるのはよくないということも付け加えておきます。


納得のいく「読書感想文」が書ければ、達成感や満足感を得ることができるはずです。夏の成功体験につながるのではないでしょうか。夏休みにたくさんの「成功体験」を積むことは、お子様にとって大きな財産になると思います。

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