四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『新学年のスタート ~学習内容よりも、まず授業に慣れることを~』

2018.02.09

早稲田アカデミーでは、今週から新学年の授業が始まりました。初回授業をお受けになって、お子様のご様子はいかがでしょうか。「楽しかった」とおっしゃっていますでしょうか。私は「わかった」という感想よりも「楽しかった」「おもしろかった」という言葉の方が大切だと考えています。単に「わかる」だけではなく、「楽しい・おもしろい」と感じることで、この先の授業や家庭学習への取り組み方が変わってくると思うからです。ちょっとくらいわからないところがあっても、おもしろかったと思えれば、これから先の学習でどんどん伸びていくでしょう。


水曜日に錦糸町校で「新小3」の新年度初回授業を担当しました。初めにオリエンテーションを実施して、早稲田アカデミーでの「授業の受け方」や「あいさつの仕方」などをお伝えしたので、授業時間が削られて少し「駆け足」になってしまったのですが、生徒たちは笑顔で解説を聞いてくれ、真剣な顔つきで問題に取り組んでくれていました。


学年が切り替わるタイミングですので、ここから早稲田アカデミーへの通塾を始められた方も多くいらっしゃると思います。初めて塾に通われる方からよくご相談いただくことを、少しまとめてみました。


お子様が初めて塾に通い始めて、まず心配になるのが、「集中力が続くかしら」という点でしょう。塾によってもさまざまですが、早稲田アカデミーは比較的1回の授業時間が長い方です。小3でも100分、小4では4科を選択すると、途中休憩(軽食)をはさんで180分が、1日の授業時間となります。単に「教える」だけではなく、学んだ内容を「定着させる」ための時間も含んでいるので、少し長い設定になっているとご理解ください。小学校の授業と比較をすると、ずいぶん長く見えますので、「集中力が続くのか」というご不安を抱かれるのも無理はないでしょう。ただ、その心配はまったく必要ありません。早稲田アカデミーの講師はお子様方の集中力が続くように、授業をコントロールしていきます。「先生の話を聞く時間」「板書を写す時間」「問題を解くため時間」……それらをきちんと分けることで集中力が持続できるように授業を進めていくわけです。
そして、それぞれの時間には意味があります。


「先生の話を聞く時間」は「新しいことを学ぶ時間」となります。まずは、ここで新しい内容をしっかりと頭の中に入れていきます。一番集中して聞かなければならないのは、この時間です。次に「板書を写す」ことによって、学んだ内容をもう一度振り返り、定着させていきます。板書を写すことそのものが、授業内での反復学習になり、「復習」ともなるわけです。ここで講師はお子様方の様子を良く見ていきます。授業内容が頭の中に入っているお子様は、比較的スムーズにノートに文字が並んでいきます。一方、どこかでつまずいている場合は、ホワイトボードを見るために頭を上げる回数が多くなり、時間もかかってしまいます。ご家庭でもお子様が持ち帰ったノートをご確認いただくと、授業内での理解度がある程度はお分かりいただけるでしょう。


そして最後に「問題を解く」ことになります。ここでは、頭を回転させて考えていきます。わかったことを、自分の力でできるようにするための時間です。早稲田アカデミーの授業はおおむねこの繰り返しで進んでいきます。


この授業内での学習定着サイクルは、小学校の授業スタイルとは違います。進学塾の授業は、学校よりも早いペースで進んでいくのはご理解いただけると思います。初めて塾通いを始められた皆様にとって一番大切なのは、このペースに早く慣れることです。お子様の精神的な成長過程や性格などによって、すんなりとペースがつかめる方もいれば、なかなかうまくいかない方もいらっしゃいます。ただ、どんなに長くかかっても二か月程度で塾の授業スタイルに慣れていきますのでご安心ください。


また塾に通い始めてすぐのころは、宿題として課される家庭学習もなかなかうまく進めることはできないものです。塾の宿題は、小学校で出されるものよりも、考えて答えを出さなければならないものが多いため、家庭学習で集中して考えることに慣れていないとつまずいてしまったり、手が止まったりしてしまうことがあるからです。そういう場合は、少し保護者の皆様がサポートしてあげてください。塾の学習ペースに慣れてくれば自然と手が離れるようになります。


また、塾から出される宿題はすべてが完璧に「できる」ものばかりではありません。答えが出なくても、宿題として「考える」ことそのものが必要なものもありますし、通塾を始めて間もない方にとってはハードルが高いものも出されることがあります。授業内で宿題をお伝えする際は、どのようにやればよいか、優先順位はどうかなど、くわしく話をしていきますが、もし「この問題ができなくて大丈夫か」と不安になられた場合は、お気軽に担当講師までご連絡いただければと思います。


中学入試へ向けた進学塾のカリキュラムは、(小学校のカリキュラムとは違い)ある程度「積み残す」ことが前提で組まれています。特に小3・小4時点においては、学習の仕方の「土台」を固める時期ですので、一つひとつの学習内容を完全に定着させることは必要ありません。その点を誤解して、テキストにある問題をすべて完璧に仕上げていこうとすると、無理が生じてしまいます。お子様も大変ですが、それをやらせようとする保護者の皆様もストレスがかかったり、お子様とけんかになったり、というようなことになりかねません。塾のペースに無理やり合わせるのではなく、まずはお子様のペースを守りながら、だんだんと塾のペースに近づけていけるようにしていくのがよいでしょう。お子様が塾の授業に慣れて、ペースをつかむまでは、保護者の皆様がペースメーカーとして少し手を掛けていただければと思います。

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