四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学入試の基礎知識② ~「基礎から学べる中学入試報告会」より~』

2018.03.16

前回の記事から、先日実施させていただいた「基礎から学べる中学入試報告会」の内容に関してご紹介させていただいております。前回は「中学受験へ向けたカリキュラムの特殊性」「『わかっている』ことがすぐに『できる』わけではない」という点について触れさせていただきました。今回はその続きを。


前回の記事でも書かせていただいたのですが、「中学受験へ向けた学習」はお子様の「精神的成長」と同時進行になります。たとえば国語で出題されている文章を理解できるかどうかは、その段階での精神的な成長が大きく影響します。テキストでもテストでも、出題されるのはお子様の学年よりも高い学齢を対象とした文章です。その文章がきちんと読み切れるかどうかは、そこまでの読解経験とそれによって培われた「成長」が影響してくるわけです。また、学習習慣や学習方法も、精神的な成長度合いが大きく関わってきます。


中学生以降になれば、だんだんと「ひとりで勉強する」ことができるようになります。もちろん小学生でも「ひとり」で机の前に座って問題に取り組むことはできるのですが、100%集中して頭を回転させていくというのは、かなり精神的に成長していたとしても、小学生にとってはなかなか難しいことです。私の経験では、最難関校に合格していく小6生であったとしても、ひとりで勉強しているときは、その子の持っている力を100%出し切っていないと思っています。たとえば、ちょっと真剣に考えれば確実にできるレベルの問題を「家でやってわからなかった」からと言って質問に持ってくることがよくあります。「ちゃんと考えたの? もう一度ここで考えてごらん」と言って、目の前でやらせてみると、「あっ、できた!」ということが多いのです。


そこで一番大切なのが、お子様が「真剣に」問題に取り組める環境を用意してあげるということです。「真剣に」という言葉は「集中して」と置き換えてもよいかもしれません。家庭学習においてどうすればお子様が「真剣に」問題に取り組むか、という点を保護者の皆様にお考えいただきたいのです。ご家庭の環境やお子様のタイプによっても異なりますので、「こうすれば真剣に取り組める」という「正解」はないのですが、学習場所や学習時間をお子様に合わせてお考えいただくところからがスタートになるでしょう。一般的に小学生の場合、自室での学習よりもお父様やお母様の「目」が届く場所の方が集中できるようです。よくいわれる「リビング学習」を行っている方が多いのもそういった理由からでしょうか。小学校の低学年時に「リビング学習」の習慣がついてしまったので、結局受験が終わるまでリビングで勉強していたというお話もよく伺います。学習時間に関しては、本当に千差万別です。朝起きてすぐに勉強をするとよく覚えられる(漢字の暗記など)というお子様もいらっしゃいますし、逆に朝はまったく頭が回転しなくてというお子様もいらっしゃいます。


ただ、実は小学生が「100%集中して」家庭学習に取り組むことは、非常に難しいと私は考えています。しかし、いくら授業で「真剣に」聞いていたとしても、自分で「真剣に」問題を考えなければ、「定着」も「成長」もおぼつかないのです。では、小学生に「真剣に」問題に取り組ませるようにするためには、どうすればよいのでしょうか? 少々長くなってしまいましたので、「次回に続く」とさせてください。

同じテーマの最新記事

2018.03.16 『中学入試の基礎知識② ~「基礎から学べる中学入試報告会」より~』
2018.03.14 『中学入試の基礎知識① ~「基礎から学べる中学入試報告会」より~』
2018.03.09 『サクセスロード』
2018.03.07 『新学年になって「初めて」のテスト』
2018.03.02 『家庭学習時間の考え方』
資料請求はこちら