四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学受験に向いていない……?』

2017.10.20

昨日はとても肌寒く、朝のテレビでは「12月中旬並みの気温です。冬物のコートを着てお出掛けください」と言っていました。と思っていたら、週末には大きめの台風が日本列島にやってくる可能性があるようですね。以前(とは言っても調べてみたら3年以上前でしたが……)、「台風の名前」についての記事を書かせていただいたことがあります。ちょっと引用させていただきます。


「北西太平洋もしくは南シナ海で発生した台風に関しては、周辺の14の加盟国がそれぞれに提案した名前を順番につけていくという形になっています。一つの加盟国で10個の名称を提案しているので、全部で140個の名称があります。国ごとに提案されている名前のさまざまな由来を見ていると興味がわいてきます。『人名』をつけている国もあれば、『植物』や『果物』、『動物』の名前をつけている国もあります」


今回の台風21号には「Lan」という名前がつけられました。アメリカが提案した、マーシャル語で「嵐」を意味する言葉だそうです。「嵐」という名前がついている台風、ちょっと気になります。大きな被害が出ないように祈るばかりですが……。気候が不安定な時期ですので、皆様も体調には十分ご留意ください。


さて、今回は先日実施しました『クローバーセミナー』のアンケートに記入されていたご質問を取り上げさせていただきます。下記のようなご質問です。


『塾へは楽しく行きますが、宿題をなかなかしようとしません。自習室を利用しても長続きせず、最近、息子は受験には向いていないのでは、と思っています。見極めるコツはありますか?(小4男子)』


「宿題を自分からやるようになるためには」「自習室をうまく使う方法は」など、ご相談になりたいポイントはいくつもあるのだと思います。ただ紙面の都合もありますので、今回は「受験に向くか、向かないか。その見極め方」という点にしぼって書かせていただきます。


結論から申し上げると、「中学受験に向かない子どもはいない」というのが私の持論です。最難関中学への合格を勝ち取ることだけを目的とした中学受験ならば、「向かない」というケースは考えられます。スポーツが得意な子どもがいるように、「勉強が得意」というタイプの子どもはいるわけです。確かにそういう子どもは「中学受験に向いている」ように見えます。また、ある程度精神的に成長している子どもの方が難度の高い問題では正解を出しやすいのも事実です。そういう点からすれば、「ませているタイプの子どもは『向いている』、幼いタイプの子どもは『向いていない』」と思われることもあるようです。


しかし、中学受験は決してゴールではありません。中学受験の先にある「上」のステージで活躍するための一つの通過点です。「幼いタイプ」の子どもはずっと「幼いまま」でいるわけではありません。必ず精神的にも大きく成長する時期がやってきます。今回、ご質問いただいたのは小学校4年生のお子様についてですから、当然これから中学受験を迎えるまでに大きく成長する時期がやってくるはずです。ですから今この瞬間の学習姿勢や取り組み方だけで判断はできないと思うのです。「宿題への取り組み姿勢」も「自習室での集中力」も必ず「変わる」時期がやってくるはずです。


小6受験生の1月・2月、その時点でも他の子どもと比べて「幼いタイプ」のままだったらどうしようか……、というご不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。ただ、小6とはいってもまだ11歳・12歳ですから成長途上にある子どもたちです。当然、成長や発達段階には差があります。しかし、中学受験へ向けた学習は、そもそも子どもたちにある程度の「背伸び」をさせるような内容を扱っていきます。その学習過程において、子どもの精神的な成長を促すようなものであるとご理解ください。簡単に言ってしまえば、小3・小4から中学受験へ向けたカリキュラムをしっかりと(試行錯誤しながら、悩みながらも)行っていくことで、精神的に成長していくものなのです。


お子様が「中学受験に向いている、向いていない」ではなく、お子様に「向いている学習」「向いている学校」という視点でお考えいただくのがよいでしょう。成長過程にあるお子様を励ましながら見守っていただく、そんな風にお考えください。

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