四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『テストの結果をどう見るか……』

2018.09.26

二学期に入り、夏の学習成果が気になるところでしょう。各学年でいろいろなテストが実施されていますので、保護者の皆様も期待して結果をご覧になっているのではないでしょうか。テストの結果帳票には、たくさんの数字が載っています。今回はテスト結果の見方について書かせていただきます。


まず、テスト結果で気になるのは偏差値でしょう。偏差値は、もともと違うテストの結果を比較しやすくするための数字ではあるのですが、一人ひとりの成績という点で考えると、テストの難度が異なれば、出てくる偏差値も変わってきます。わかりやすく言えば、自分の点数がそのテストの平均点であれば偏差値は50となります。その平均点からの乖離幅(厳密には少し違うのですが)がその生徒の偏差値として出てくると考えると、全体の平均点が高くなると(平均以上の成績をとることができる生徒の場合)偏差値は低くなるわけです。


以前、「お子様の国語の偏差値が急激に下がった」と不安になられたお母様からの相談を受けたことがあります。確かに偏差値だけを見ると、「72」から「65」に下がっていました。偏差値のポイントにして「7」下がるのは大きなことですから、不安を抱かれるのはよくわかります。ところが、実はその回のテストは非常に易しく(難度が低く)平均点が高かったのです。満点をとっても「68」という偏差値になっていました。得点が大きく下がっているわけではありませんでしたので、学習定着度には問題がないことをご説明したところ、ご安心いただけました。


上記のように、偏差値はひとつの基準となる数字ではありますが、絶対的なものではありません。ではどのような点を見ればよいのでしょうか。


そのテストの結果を次の学習につなげていくためには、「正答率」を見ていただくことを、私はお勧めしています。「正答率」を見ることで、どれくらいの割合の受験生が正答したかがわかります。設問ごとにこの正答率とお子様の答案を比較分析していくと、お子様の学習状況がわかってきます。単純にどの単元内容の理解が不足しているかだけではなく、そのテストを受験したときの精神状態まで見えてくることもあります。普段はほとんどしないようなミスを連発しているときは、「集中して受験できていなかったのかな」といった感じです。


全体の得点や偏差値が持つ意味も、正答率に注目して分析をすると、変わってきます。「正答率40%以上」の問題に全部マルがついていての偏差値60と、「正答率」が低い問題(30%以下)でも正解はあるが、60%台の問題でミスをしての偏差値60では、その対処法も違ってくるわけです。


正答率との比較をしてみると、テスト結果を評価するべきポイントも見えてくるようになります。「正答率が低い=難しい」問題といえますので、その問題にマルがついていればほめてあげることができるわけです。しかし、極端に正答率が低い(5%前後)問題の場合は、「正しく考えて正解にたどりついて『解けた』」というよりも、「なんとなく答えを書いたら『あたった』」というケースもあります。この場合は、手放しでほめてしまうと、お子様は納得できないでしょう。「なんでもいいから書いてあたればいいんだ」というように考えてしまう危険性もあります。


テストの結果をどのように見ればよいか、さらにはその結果をどのように次につなげていけばよいか、といった点で迷うことがありましたら、ぜひ担当講師までご相談ください。

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