四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『なんで……?』

2020.08.28

小学3年生の方には8月8日に行われた「サマーチャレンジテスト」の成績が返却されたことと思います。また、各学年ではここから「夏の学習成果」を試すテストが実施されます。9月からのクラス分けにも影響する「必修テスト(公開組分けテスト)」が小学4・5年生では行われますし、小学6年生では「NN志望校別クラス」の入室資格判定が行われる「NN志望校別コース 志望校別オープン模試」が実施されます。「夏期講習会」「夏期集中特訓」で学習したことが、「結果として表れるはず」と期待していらっしゃる皆様も多いことでしょう。しかし、返却された成績表(帳票)を見ると、期待していたような結果になっていないということもあるはずです。


精神的な成長過程にある小学生の場合、がんばった結果が数値として表れてくる時期には個人差があります。努力がすぐに結果(偏差値や得点)に反映されれば安心できるのですが、そのようにならないケースも多いものです。実際にテストを受けているお子様は、間違えてしまった問題でも途中まではできていたとか、その場ではできなかったけれど解説を聞いて理解することができたとか、ある程度の手ごたえを感じているので、たとえ数値結果が良くなかったとしても焦ったりすることはあまり多くはないのです。一方で、保護者の皆様は、多くの場合、数値結果だけで判断されますので、焦りや不安を感じてしまうこともあるでしょう。


保護者の皆様が、そんな心理状態のときについお子様に投げかけてしまう言葉として「なんで、間違えたの!?」という表現があります。「こんな点数では許せない!」という直接「非難」するような言葉は、お子様の気持ちを考えて使われることはないと思うのですが、実はお子様にとっては、どちらの言葉も同じようなニュアンスで伝わってしまうのです。


テストの問題を間違えようと思って解くお子様はいないはずです。ですから「なんで、間違えたの!?」と聞かれても、お子様は困ってしまうだけです。自分が答えられない質問を投げかけられることで、間違えた自分が否定されたように感じてしまうこともあるでしょう。そして間違えることに対して必要以上の不安や恐怖を抱き、解答に自信が持てない場合は書かずに空欄にしてしまったり、テストを受けることそのものが嫌になってしまったり、ということにつながってしまうケースもあります。


もちろん、解き直しをさせて、間違えた箇所を見つけさせ、同じミスを繰り返さないようにしていくことは大切です。そのためには、頭ごなしに「なんで、間違えたの!?」と問いかけるのではなく、「解き直しをして間違えたところを見つけてごらん」というアドバイスが必要になります。


親子ですから、ときには感情的な言葉を投げかけてしまうこともあるでしょうし、ある意味でそれは必要なことでもあります。お子様は誰しも親から期待されていると感じています。と同時に、その期待に応えられないようなテスト結果をとってしまったことに対する申し訳なさも感じているはずです。その点においては、ある程度、感情的な言葉がお父様やお母様から投げかけられたとしても、理解し納得もします。しかし、感情的な言葉だけが続いてしまうと、お子様の学習に対するモチベーションを低下させてしまうこともありますので注意が必要だとご理解ください。


前回の記事にも書かせていただきましたが、夏の終わりのこのタイミングでは「夏はがんばった」という気持ちを、お子様の心につくることが大切です。そんな気持ちになれるように、ご家庭でも接していただければと考えています。

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