四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『新しい内容を学ぶとき……』

2020.10.30

早稲田アカデミーで使用している「小3コンパスカリキュラム」の算数では、ちょうど「場合の数」「角度」という単元の学習を進めています。夏までは、算数の基礎土台というべき単元の学習でしたので、そこまで難しさを感じることはなかった、というお子様も多かったと思いますが、これからは「中学受験算数」らしい単元を学習していくことになります。「覚えたことをそのまま使う」というのではなく、「考えて解く」ということが必要になってきています。そこを「面白い」と感じるお子様も多いはずです。ただ、正解までの道筋がいままでよりも「長く」感じることから、「むずかしい」と感じてしまうお子様もいらっしゃるはずです。ここをどう乗り越えるかで、算数を得意にすることができるかどうかが決まるのかもしれません。


いま学習している「場合の数」も「角度」も小3生にとっては、「初めて」学習する内容になります。そういった「新しい単元」の学習が始まるその「第一歩」をどういう方向で踏み出すかによって、その先の学習が大きく変わってきます。中学受験カリキュラムでいえば、知識よりも思考が大切となる算数・国語の二科目においては、小3・小4の時期に「新単元の導入」が多く行われます。この時期にどのような方向で「第一歩」を踏み出したかによって、その単元が得意になるか、苦手になるかが決まるといっても過言ではないかもしれません。逆にいえば、苦手な科目や単元がある場合は、小3・小4の学習内容まで戻ってみることで、苦手となっている原因を見つけられることがあります。


さて、新しい単元の学習に向かうときに、お子様はどのように取り組むタイプでしょうか。新しいことに対して前向きに取り組んでいくタイプでしょうか、それとも少し尻込みをしてしまうタイプでしょうか。それぞれのお子様の性格やタイプにもよりますので、一概にどちらがよいとはいえないのですが、やはり積極的に取り組むタイプの方が、すんなりと新単元になじむことができる分、テストなどではよい結果が出ることが多いようです。


特に中学受験カリキュラムの場合は、ひとつの単元の学習期間が一週間程度と短く設定されていますので、新しいことに対して気持ちの上で「壁」ができてしまうと、なかなかその「壁」を乗り越えるのが難しくなってしまうものです。まずは、気持ちの上で「新しいことに対して積極的に取り組む」ことができるように、ご家庭でもお話しいただくことが大切だと考えています。


「第一歩を右に踏み出すか、左に踏み出すか」、それによってそこから先の方向性が大きく変わってしまうのは、中学受験へ向けた学習だけの話ではないでしょう。少し話は大きくなってしまいますが、人生においてもそういった場面は何度かあるものです。そういった人生の転機において、どの方向に進むかを考えるときには、その先の「ゴール」をどのように設定するかが大きく影響してくるように、私は考えています。


話を中学受験の学習に戻すと、入試で「どのように出題されるのか」、「どのような力が求められるのか」、という「ゴール」からの逆算が、単元学習を進めていく上においては非常に重要なことになるはずです。さらには、ゴールまでの道筋が見えていることも大切になります。


この点に関しては、保護者の皆様には少し難しいことかもしれません。中学入試というひとつのゴールを研究して、単元の細かい学習内容において、そこに向けた効果的な「第一歩」を踏み出させるというのは、進学塾の講師の仕事領域ということになるでしょう。ただ、保護者の皆様もそのイメージだけは持っておいていただければと思うのです。単にその週の学習内容だけではなく、そこからさらに発展していき、最終的にはゴールにたどり着く、そういう学習をしているのだという視点でご覧になっていただきたいと考えています。


「小3や小4の学習内容であれば、家でも教えられそうなのですが、それでも塾に通わせた方がよいですか?」というご質問をいただくことがあります。結論としては「通わせられる環境なのであれば、ぜひ通わせてあげてください」とお答えしています。新しい学習の「第一歩」をどのように踏み出すかで、その先の学習内容や学習レベルが変わってしまうことを考えると、できれば少しでも早い段階でスタートを切ることをおすすめしたいと考えています。

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