四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『お子様との会話① ~夏のコミュニケーション~』

2021.07.16

全国的には梅雨明けをした地域もあるようです。いよいよ夏休みが近付いてきました。


東京都では緊急事態宣言が出され、今年もマスクが手放せない「夏」となってしまいました。梅雨の終わりのこの時期は、湿度が高くなり気温差も大きくなってきます。お子様も保護者の皆様も、体調にはどうぞご留意ください。「充実した夏」にするための一番のポイントは「体調管理」と、保護者会などでよくお話しさせていただいています。「夏期講習会」も「小学生としてのさまざまな体験・経験」も、体調が良くなければ頑張ることも楽しむこともできないわけですから、まずは規則正しい生活を心がけ、体調を崩さないようにしていただければと思います。


夏休みには、いろいろな方と触れ合う機会があるはずです。今年も新型コロナウイルス感染症のために制限がかかるなかではありますが、お父様やお母様のご実家への帰省でご親族とお話しする経験は、お子様にとって大きな「刺激」となり、精神的成長にも大きくつながるものとなるはずです。また、自分とは生活環境や年齢が異なる方と触れ合うことは、「他者理解」にもつながります。将来必要となると言われている「協働力」のスタートラインは、自分とは異なる他者をいかに理解し、許容するか、という「他者理解」にあります。そういった視点からも、多くの方と触れ合う経験は大切なことだと思います。


さて、さまざまな方とお子様が会話をするときのことを少し具体的に書かせていただきます。お子様がご親族と会話している場面をご想像ください。わかりやすいように、叔母様との会話を例に出してみましょう。
(叔母様)「夏休みの宿題はたくさん出ているの?」
(お子様)「うーん……」
(お母様)「ほら、自由研究とか日記があるでしょ。」
(お子様)「うん、自由研究とか、日記とか……」
このような会話、つまり、お子様が答える前に「親が先回りをして」答えてしまうような会話になっていませんでしょうか。このタイプの会話では、他者との触れ合いによって精神的な成長を促すことにはならないでしょう。むしろ、逆に「依存心」を高めることにもつながりかねません。「自立」をすることは、お子様の成長にとっても学習面での成績を上げるためにも必要なことですが、「依存心」が強ければ強いほど、「自立」のためにはマイナスになってしまいます。


では、親はなぜ「先回りして」答えたくなってしまうのでしょうか。その理由の一つには、「聞かれていることにちゃんと答えさせなければならない」という心理があるのでしょう。しかし、お子様に対して何かを問いかけてくる大人は、その質問の「答え」を望んでいるというより、子どもと「コミュニケーション」をとろうとしている場合がほとんどでしょう。となれば、やはりお子様自身に考えさせ、答えさせることが大切になるはずです。また、「きちんと答えられないと恥ずかしい」という親としての心理もあるかもしれません。そのお気持ちはわからないではないのですが、一方で「親に教えてもらわないと答えられない」というように思われるのも、決して「かっこいい」ものではないと思います。


子どもは、「相手の質問の意味を理解し、どう答えればよいのかを考え、それを表現する」という大切なトレーニングを、いろいろな方との会話を通じて行っているわけです。その点をご理解いただくことで、お子様の成長につながるような「親としての接し方」をイメージしていただくことができると思います。


次回は、お子様との時間が多くなる「夏」に、普段とは少し違った会話をしていただくためのヒントをご紹介する予定です。

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