四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『CQ④ ~「好き」を追求~』

2021.10.27

「好奇心」について書かせていただいているシリーズの第4回目となります。前回の記事の中で、「大人から見れば『くだらないこと』や『役に立たないと思われること』であっても、(子どもは)興味を示すことがあるでしょう。そんなときでもあたたかく見守っていただければと思います」と書かせていただきました。きっとお読みいただいた皆様の中には、「いくらゲームや漫画が好きでも、それが受験に有利に働くことはないだろうし、将来それを仕事にすることもできないはずだし……」そんなお気持ちが生まれたのではないでしょうか。


小学4年生のときに先生から薦められた「ロウソクの科学」が、化学に対する興味を持つきっかけになった、というのは「リチウムイオン電池の開発」でノーベル化学賞を受賞された吉野彰さんの言葉ですが、「うちの子どもが興味を持っている、ゲームや漫画ではそんな風にはならないだろうし……」そんな声が聞こえてくるようにも思います。


小学生のときに興味関心を持って突き詰めるものは、どんなものでもよいと私は思っています。「鉄道」に対する興味が大人になっても尽きることなく、鉄道会社に就職をする人もいるかもしれません。しかし、小学生・中学生のときの興味関心は成長するにつれて変わっていくものです。ただ、小学生のときに「好きなものを追求した」という経験は、新たなものに対する興味がわいたときに生きてくるものだと思います。「調べるための方法」も「さまざまな情報から自分が必要とするものを選びとる経験」も、次につながるはずです。


お子様の「好奇心」を刺激し、深く追求していくための、親の接し方としては、単に「見守る」だけではなく、「同じものに興味を持つ」「一緒にワクワクする」という視点を持つことが効果的だと考えています。お子様が好きなものについて熱く語っているときに、「ふーん、そうなんだ」というようなリアクションではなく、「そうなの!面白い!」とお答えいただいた方が、お子様はうれしいでしょう。そのうち、お子様の「好き」が、保護者の皆様にとっての「好き」にもなるのではないでしょうか。


ご家族で楽しむということを考えると、「親の趣味にお子様を引き込む」というのも、ひとつの方法だと思います。お父様やお母様が、ひとつのことに打ち込んでいる姿を見るのは、お子様にとっても刺激になるはずです。そして、同じものに興味を持って、一緒に取り組むことができれば……。


中学入試のことを考えると、やはり理科・社会に「興味関心」を持ってほしいと思います。早稲田アカデミーでは、小3から「理科・社会」の授業を行っています。パソコンとプロジェクターを使って、映像や画像をホワイトボードに打ち出しながらの授業です。やはり「理科・社会」に関しては、テキストの写真を見るだけではなく、動画で確認することで、より高いレベルの「好奇心」を引き出せるようです。理科の実験映像(動画)などは、生徒全員が食い入るように見ています。


小3で扱っている「理科・社会」の学習内容は、かなり高い(難しい)レベルになっています。もちろん、小3段階でそれらをすべて覚えて、定着する必要はありません。それよりも、そういった内容に「興味を持ち、関心を高めて」くれればというのが、授業意図であり目的なのです。


「水溶液」を扱ったときに、「食塩と砂糖はどちらが先に溶けなくなるのか」という実験映像を見ました。おうちに帰って「自分でもやってみたい!」といった生徒がいて、実際にやってみたそうです。お母様からご連絡いただき、「先生!うちの塩と砂糖が大量になくなったんです!」とおっしゃっていたのは笑い話ですが。

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