四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学受験者数と中学受験率について』

2012.03.07

昨日は、豊島公会堂の『中学入試報告会』において中学入試の概況に関してお話させていただきました。限られた時間の中でしたので、駆け足になってしまい、わかりにくい点もあったことと思いますので、表題の中学受験者数と受験率に関して、少し詳しく触れさせていただきたいと思います。



福田ブログ画像

3月6日豊島公会堂にて


中学受験率は『景気動向』と『教育行政』の影響を受けるということは言うまでもありません。今回の報告会で平成年に入ってからの受験率を説明していくときのキーワードは『バブル崩壊』と『リーマンショック』、そして『ゆとりカリキュラム』でした。 簡単に申し上げれば「バブル崩壊」後、約10年間に渡って下がり続けた受験率は「ゆとりカリキュラム」の内容が発表された2000年から急勾配に上昇をし、「リーマンショック」が起こった2008年から横ばいか緩やかな右肩下がりになっている、そんな推移になっています。

そんな状況の中で、今後の予測についても触れさせていただきました。結論から申しあえげれば、(大きな外的要因の変化がなければ)これから数年間は受験率も受験者数も大きな変動はないと思います。経済的には決して明るい情勢でもないと思うのですが、バブル期のように中学受験が「ブーム」として捉えられている時代とは違い、2000年前後からの受験率の上昇は、「教育に対する不安」が根底にあり、「お子様の6年間」を選択することそのものがひとつのライフスタイルとして定着していると見ておりますので、バブル崩壊後のような受験率の急激な低下は起こらないものと考えています。

受験率が変わらないとなれば、中学受験そのものの「難度」も変わらないということになりそうですが、実はその点に関しては、少し注意が必要です。たとえば、ある学校で応募者数が倍になれば、当然激戦になることはお分かりいただけると思います。しかし、応募者数は変わらなくても、受験者の実力が拮抗してくれば、その学校の入試は厳しくなるのです。その学校を第一志望とする生徒の割合が高くなればなるほど、入試そのものは激戦となると言ってもよいでしょう。最近の中学入試はそのような『数字には表れない厳しさ』が進んでいると見ています。

その要因は大きく3つ考えられます。一つ目は、ご家庭において、お子様の環境を本気で選ぶという姿勢で受験校が吟味されていること。二つ目は、学校選びにおける正確な情報が手に入りやすくなったということ。最後に進学塾において、塾そのもののレベルが上がり、指導レベルも向上していることです。これらの要因から「量的な厳しさ」から「質的な厳しさ」へと変わってきているということができるでしょう。

中学受験者数や受験率はあくまで数字でしかありません。その数字自体がお子様の学習方針や入試へむけた準備に直接的に影響することはないでしょう。しかし、志望校・受験校、そして進学先をお考えいただく際のひとつの指針にはなるでしょう。最近では様々な教育情報誌・受験情報誌も出ているようですので、時にはひもといていただくのも良いと思います。私も通勤の電車の中でいろいろな雑誌に目を通しています。


次回のブログでは、四つ葉のクイズ其の26を出題する予定です。お楽しみに。

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