四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「国語の学習に関して② ~読解力とは~」

2017.06.28

前回から「国語学習」について書かせていただいています。今回は「読解力」について。


「読書を全然しないので、読解力がなくて...」、よくいただくご相談です。確かに読書が好きな生徒は総じて読解力が高い傾向にあります。ただ、本を読むだけで読解力は上がりませんし、逆にそれほど読書をしなくても読解力を高めることはできます。そもそも読解力とはどのような力なのでしょうか。


読解力とは、文字通り「文章を読んで理解する力」のことですが、そこにはさまざまな構成要素があります。わかりやすく言えば、「読解力」という力があるわけではなく、いくつもの力が重なって、文章を理解することができるようになる、というイメージです。「文章を読んで理解することができない=読解力が不足している」というように大括りに考えるのではなく、「なぜ理解できないのか」というところから、お子様の文章理解力(読解力)をお考えいただくのがよいでしょう。


読解力を細かく分けていったときに、まず必要になるのが「語彙力」です。言葉の意味がわからなければ、書かれている内容を理解するのは、当たり前ですが無理な話です。さらに私は、「言葉に関して想像して推測する力」も語彙力のひとつと考えています。単純に「言葉を知っている」だけではなく、前後の文脈や漢字の字面から、「言葉の意味を推測して」読み進める力のことです。この言葉を推測していく力が伸びてくると、国語力全般の伸長にもつながっていきます。


そして、前提となるこの「語彙力」の次にくるのが「文章を頭の中に構築する力」だと考えています。「文章内容を頭の中に構築する力」というと、なかなかイメージしづらいですが、書かれている文章に沿って、内容を頭の中に「積み上げて」いくような感覚です。読み終わったあとに、文章内容が自分なりの形で「頭の中に入っているか」がポイントです。


この点に関しては、文章の長さによっても「考え方」や「伸ばし方」は変わってきます。本当の意味での「国語力」「読解力」と考えたときには、長い文章を読み解く力を指すことになるでしょう。しかし、中学入試における「読解力」と考えたときには、少し違ってきます。中学入試に出題される文章の長さ(3,000字~4,000字程度の文章)を読み解くことができればよいわけです。これらの力を伸ばすためには、説明的文章であれば「段落ごとに理解しながら読んでいく」「意味段落のつながりを考える」といった学習が、物語文であれば「場面分けをする」「場面による登場人物の心情変化を把握する」といった学習が有効になってきます。


さらに「文章をより深く理解する」ために必要なのが、書かれている内容や背景に関する知識です。初めて触れるテーマの文章を、完璧に理解するのはなかなか難しいはずです。中学入試カリキュラムのテキストやテストに出題される文章は、小学生としての日常生活の中で身近にあるテーマや内容ではないことが多くあります。そういったテーマ・内容に触れる経験も、大きな意味での「読解力向上」につながるはずです。そう考えれば、単に文章を読むだけでなく、さまざまな物事に対して興味関心を持つこと、さまざまな経験をするということも、必要なことだと言えるかもしれません。


次回は国語学習に関する第3回目として、「表現力・記述力」について書かせていただく予定です。

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