四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『桜』

2012.03.30

今年、東京の桜の開花予想は今日(3/30)でしたが、皆さんのお近くではソメイヨシノは咲き始めているでしょうか。昨年は震災の影響で自粛されていたお花見も今年は盛大に実施されるところが多いと、テレビでやっていました。首都圏各地の『桜祭り』も今週末と来週末に実施されるところが多いようです。

以前の記事にも書かせていただきましたが、身近なことに関して興味を持つことが、低学年の間には重要なことになります。お子様がいろいろなことに興味を持つためには、保護者の皆様の働きかけが重要です。ちょうど、桜の時期ですので、今回は「桜」を題材にして、お子様との会話が進むような話題をお伝えしましょう。

桜を題材にした和歌はたくさんあるのですが、一番有名なのは百人一首にも収録されている紀友則の『久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ』という歌ではないでしょうか。穏やかでのどかな光が差している春の日なのに、なぜ落ち着いた気持ちもなく桜は散っていってしまうのだろうか、というような意味の歌です。小学生にこの歌の鑑賞をさせるのは少し難しいかもしれませんが、百人一首を知っているのであれば、こういう意味なんだよと教えてあげることで、興味を抱くようにもなると思います。

さて、この歌で詠まれている桜は、実はいまの日本人が良く知っているソメイヨシノではないのです。ご存知の方も多いと思いますが、ソメイヨシノは江戸時代に品種改良が行われて作られた桜のひとつなのです。紀友則が詠んだ桜は花が美しいヤマザクラだと言われているようですが、ヤマザクラは花と葉が一緒に出るため、今でいう「葉桜」のような状態で満開を迎えることになります。一方、花はそれほど大きくない種でも、葉が花より遅れて出る品種もあるそうです。この二種を掛け合わせて、美しい花だけが満開になるように作られた品種がソメイヨシノなんだそうです。また、ソメイヨシノは接木でしか繁殖できないため、全てのソメイヨシノは江戸時代の一本の木から作られた同じ遺伝子を持っているそうです。そう考えると不思議な気持ちになりますよね。

さて、もう一つ桜の話題。お子様方に『桜の匂いってどんな匂いだと思う?』と問いかけてみて下さい。皆様も、そう聞かれるとなんとなく桜の匂いを思い出すのではないでしょうか。もしかしたら「桜餅」の匂いを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。桜餅の匂いはもちろん、桜の花の匂いではなく、桜の葉の匂いです。香りを使った商品の中には、桜をテーマにした香りがつけられているものもあるようですが、実は桜の花には香りはないと聞いたことがあります。桜の香りと呼ばれている商品は、桜から連想されるイメージでつけられているのだそうです。どんな匂いかを想像させた後で、実際に桜の匂いをかがせて、無臭であることを確かめさせるのもよいかもしれません。そういえば私の飼っている犬は、花の匂いなどに敏感で、春先の公園ではいろいろな花の匂いをかいでまわるのに、桜の時期には桜の花の匂いには興味を示さず、お花見をしている人のお弁当の匂いに夢中でした(笑)。

■■□四つ葉のクイズ 其の29□■■
四つ葉のクイズ 其の28
正解は次回のブログで発表します。

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