四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『ほめるときはどんなとき?』

2012.12.14

よく「ほめて伸ばす」という言葉を聞きます。間違いなく小学生は「ほめて」あげた方が伸びると私自身も感じています。市川校で担当している小学校4年生のクラスに漢字が苦手な生徒がいます。先日行った漢字テストでは、100点満点中50点未満の点数でした。次の週にがんばって65点まで伸ばしてきたので、ほめてあげたところ、翌週には80点になり、今週の授業では90点を取ってくれました。きっと来週は満点が取れるようになってくれるのではないかと期待しているところです。

もちろん、65点は合格点ではありません。クラスの他の生徒に対しては、65点では決してほめませんし、場合によっては厳しく指導する得点です。しかし、そのお子様の場合は、その前の週が悪すぎたので、そこからの伸びをほめてあげたのです。そうしたところ、本当に嬉しそうな顔をしてくれました。きっと、その気持ちが『やる気』につながってくれたのだと思います。

皆様はどんな時にお子様をほめていらっしゃいますか。

実はなんでもかんでもほめればよいというものではありません。ほめることがよくない結果をもたらすこともあるのです。よい点数が取れた時にほめる、ということを繰り返すと、何でもいいから点数さえ取れればよいという考え方になってしまい、テストでズルをすることもでてきます。宿題が全部マルになっていることだけをほめてしまうと、解答・解説を見て解答欄を埋めることだけを意識するようになってしまします。テストの得点や宿題の完成度などの、『結果』だけをほめるようにしてしまうと、このような弊害が生まれてしまうわけです。

では、どんなときに、どのようにほめればよいのでしょうか。答えは簡単です。『結果』だけではなく、そこに至る『過程』をほめるようにしてください。テストでよい点数がとれたのだとすれば、『いい点だったね、よかったね!』ではなく、『毎日がんばって宿題をやったからいい点になったね』というようにほめてあげることが大切です。万が一、がんばったけれど結果が出なかったとしても、その『がんばり』はぜひほめてあげていただきたいのです。

言い換えると、「お子様がほめてほしい」と思っているときを見つけて、ほめてあげることが重要なのです。あまりがんばっていないときには、お子様は「叱られるのではないか」と心の中では思っているはずです。そんなときに受けたテストがたまたまよい結果だったとして、その結果だけをほめられると、お子様は「ああ、こんなもんでいいんだ」と思ってしまいます。努力をしなくても結果だけを出せばよいと考えてしまう危険性が出てくるわけです。一方で、がんばって学習したときは「ほめてほしい」と心の中では思っているはずなのですが、結果で叱られてしまうと、「あんなにがんばったのに認めてもらえなかった」と感じ、「勉強は苦手だ。なにをやってもうまくいかない。」と悩みはじめてしまいます。

市川校の小4生の得点が、50点未満からが65点になったときには、明らかにそこに努力のあとが認められました。一つひとつの漢字のトメ・ハネに気をつかい、とても丁寧に字を書くようになっていたのです。本当にがんばってくれたことがわかる答案でした。苦手な漢字をそこまでがんばってくれたので、私は心の底からほめてあげたのです。

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