四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「テストの見直しの仕方」

2013.10.16

前回の記事に引き続き、クローバーセミナーアンケートの質問に回答させていただきます。今回は下記の質問です。


「テストのときに見直しを必ずやる」と言ってテストに臨みますが、結果はミス多発。どうやれば見直しができるようになりますか?(小4・男子)


YT教室の「週テスト」や「組分けテスト」についてのご質問だと思います。帰ってきてからもう一度やらせてみるとできるのに、計算ミスや問題の読み違いなど、俗にいう「ケアレスミス」で失点が多いタイプのお子様なのでしょう。


実は、「見直し」は小4の生徒にとっては、かなりレベルの高い要求なのです。


まず、小学校4年生の段階では、「テストの見直し」が重要だと言われても、具体的に何をすれば良いかが分からない可能性があります。テスト監督中に「テストが終わったら見直しをしなさい!」と声をかけても、解答用紙だけをじっと見ている生徒がいます。できあがった(解答欄を埋めた)解答用紙をじっと眺めていてもミスが発見できないというのは、大人であれば当たり前のことですが、どうすればミスが見つかるかを自分で考えつくのは、小4生にとっては難しいことなのです。


だから私は「テストが全部終わったら、もう一度問題を読み直しなさい」というところから指導しています。問われていることをもう一回じっくりと確認させることで、自分が出した答えがその問いに対して正しいかどうかをじっくりと考えさせることが目的です。自分で「正解」だと思った答案を見直してもなかなかミスを発見することはできません。たとえば国語の記述答案で明らかに文意が通らない、おかしな文を書いていたとしても、自分では正しいと思い込んでいるので、書き直すところまではいかないのです(小6のNNクラスレベルになって初めてできるレベルだとお考えください)。


算数においては、出した答えが問題と照らし合わせておかしくないかどうかを考えさせることも大切です。以前担当した小6上位クラスで扱った速さの問題で、歩いているA君の速さを時速250kmと書いた生徒がいました。年齢算ではお母さんの年齢が75歳、お父さんが22歳という解答もありました。平均算で100点満点のテストの得点を聞かれているのに120点と答えたり、身長が240cmの小学生がいたり、図形の問題でも三角形のひとつの角度が200度を超えていたり...。それでも気がつかないで解答欄に書いてしまうのが小学生なんです。


お子様が、テストで「ミスをしない」「ミスを見つけられる」ようになるために必要なのは、集中力と注意力です。しかし全力でテストの問題を解き終えた後、見直しをするだけの集中力が残っているかというと、そこはなかなか難しいことでしょう。もちろん学年が上がって、さらに得点をとることに執着するようになってくれば、「やらなければ」という気持ちも生まれてくるでしょう。特に目標となる志望校がはっきり決まって、その学校に合格するために必要な偏差値が意識されるようになってくると、高得点をとるためにできる限りの努力をするようになります。しかし、小学校4年生ではまだそこまでの意識もできあがっていないでしょう。


まとめとして、小学校4年生段階で、保護者の皆様にアドバイスを差し上げるとすれば、以下の3点になります。


①小4段階では「見直しをしなさい」というよりも、「一つひとつの問題を丁寧に解きなさい」という指導をしてください。

②将来的にしっかりと見直しができるようになるためには、何よりも意識を高めることが必要です。テストを嫌いにならないレベルで、高得点をとりたいという気持ちを作るようにしてください。

③見直しだけではなく、テストそのものの受け方を練習するのも、毎週の単元テスト(YT教室)の大きな目的です。しっかりと毎週のテストを受け続けられるように応援してあげてください。

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