四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『表現力を身につける ~読書感想文を書く前に~』

2014.07.25

梅雨が明けた途端、真夏の日差し。連日、朝から暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。お子様は体調など崩していらっしゃらないでしょうか。今日も吉祥寺校で小3の授業を行ってきたのですが、生徒たちは朝からとても元気でした。実は、午前中から授業があるときには、かなり早めに目覚まし時計をかけています。よく「目が覚めてから2~3時間経たないと頭がフル回転しない」と言われます。ですから私も、子どもたちに良い授業をするために、早めに起きるようにしているのです。


さて、今日は「表現力・記述力」について書かせていただきます。中学入試の問題では「記述式」の設問が各科目で出されます。国語だけではなく、理科や社会でも、場合によっては算数でも出題されることがあります。「記述が苦手でいつも空欄にしてしまう」というご相談を受けることもあるのですが、掘り下げていくとその要因はさまざまで、対処法も異なります。


一般的に国語の説明的文章や、理科・社会の記述問題の場合、必要となるのは論理的な説明能力です。つまり、問われていることに対して、きちんと因果関係を把握し、必要な語句を選別し、わかりやすく簡潔にまとめる力です。そのうち「必要語句の選別」のところが、科目によって少し考え方が異なります。国語の説明的文章であれば、文意・文脈を把握して基本的には文中から重要語句を選ぶことになります。一方で理科・社会であれば、今までに学んできた知識から必要なものを考え出す(思い出す)ことになるわけです。この解き方が理解できていれば、記述問題を空欄にしてしまうことはほとんどなくなるはずです。さらに文章としてうまくまとまっていなくても、必要語句をしっかりと選ぶことができていれば、部分点がもらえることもあります。


実は、今回書かせていただきたい「表現力」は、上記したような、ある種テクニック的な「記述解法」についてではありません。最近の中学入試問題の傾向として、自分の意見や考えを書かせるような記述スタイルの設問が各科目で多くなっています。「言葉を探してきてまとめる」というのではなく、「自分の頭の中にあることを言葉にする」という言い方がわかりやすいでしょうか。


このような「表現力」は一朝一夕に身に付くものではありません。さまざまな場面でトレーニングをしていくことが必要になります。そういう意味では、小学校で夏休みの宿題として出される「読書感想文」を書くことも効果的なトレーニングになります。単にストーリーを要約して「面白かった」「かわいそうに思った」などの感想でまとめる「読書感想文」ではなく、もう少し深く考えた「読書感想文」を書くことで「表現力」のトレーニングにもなるはずです。そのためには、保護者の皆様の協力も必要です。とは言っても、大変な作業が必要となるわけではありません。端的に言えば、「読書感想文」を書く前に、その本に関してお子様と会話をしていただければよいのです。


本を読んだ後、お子様方の頭の中にはさまざまなイメージや感想が残っています。ただ、それを原稿用紙に言葉として表現するのは、お子様にとってはとても難しいことなのです。なぜなら、頭の中にあるものが整理されていなかったり、それを表現するための語彙が不足していたりするからです。そこでお父様やお母様と会話することで、頭の中は整理されていきます。その中でお子様がうまく表現できない感情などは、少し使う言葉をアドバイスしてあげてください。お子様と読んだ本についての会話をしていくきっかけとしては、「お母さんも読んでみようと思うんだけど」「どんな場面が印象に残っている」というように進めていただくのがよいと思います。あくまでお子様の感想を引きだすのが目的なので、誘導的に進めるのはよくないということも付け加えておきます。


また、「日記(絵日記)」も表現力を高めるためには効果的なのですが、それについてはまた機会をあらためて書かせていただきます。

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