四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「発想力を伸ばす」

2014.08.27

前回の記事では「残暑が厳しい」と書かせていただいていたのですが、今日は一変、肌寒さを感じるような天候です。天候が変わりやすいこの時期は、体調を崩しやすいので、ご注意ください。


先日、御茶ノ水で「小1・小2サマーチャレンジテスト」をご受験いただいた皆様を対象としたセミナーを実施しました。200名を超える方にお越しいただき、ありがとうございました。その中で、これからの時代においては「書かれていること、教わったことを超えた発想」ができるようになることが大切だという話をさせていただきました。そして、その基盤をつくるために、小1~小4の間の学習が重要だとお伝えいたしました。時間に限りがあり、具体的な私の経験などをお話することができなかったため、今回の記事で少し触れさせていただきます。


以前担当していた生徒のお母様から、こんな話を伺いました。


「チョコレートが20個あって、3人の兄弟で分けるとき、いくつあまるでしょう」という問題に対して、お子様が「あまらない」と答えたそうです。そのお子様も3人兄弟で、「あまった分はお兄さんが食べてしまうから、あまらない」と考えたとのことでした。算数としては不正解ですが、実生活の中では普通の光景でしょう。お母様は笑いながらお話になっていて、「もう仕方ない子ですよね」というように評価をされていたのですが、私は、その発想はとてもおもしろいと評価してあげました。


「そういうことを聞いているんじゃないのよ」と否定してしまうことは簡単です。否定をせずとも「同じ数ずつ分けたらいくつあまるのかという問題なのよ」と問題の意図を教えてあげることもできるでしょう。せっかくお子様が考えた答えなのですから、さらにそこから一歩進めてあげるのもよいと思います。「じゃあ、お兄さんは他の兄弟と比べていくつ多く食べたのかな」もしくは「じゃあ、兄弟3人はいくつずつ食べたのかな」というように進めていただくのはいかがでしょうか。


ここで大切なのは、お子様が最初に出した答えは、決して「間違い」ではないという意識の上で指導にあたることなのです。もちろん、算数の問題に対する『答え方』としては正しくありません。設問の意図を読み取れていない、という点に関しては課題があります。ただ、この問題で導きたいのはそういった『設問に対する理解』ではないわけです。ここで、自分の考えたことが「間違い」だったと否定されてしまうと、成功体験とは逆の失敗体験となってしまい、それが積み重なると、問題を解くこと・考えることに対して臆病になってしまうことにもつながりかねません。


小学生の間は、大人では想像もつかないような発想をすることが多々あります。私も授業の中で「あっ!そういう考え方をするのか」と生徒から気づかされたことがたくさんあります。ぜひそういう発想を否定せず、伸ばしてあげていただければと思います。

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