四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『相手を理解して正確に答える ~出題者の意図を読み取る~』

2015.05.22

「思考力、判断力、表現力」を育成することが大切である、と言われています。現在の学習指導要領が導入・施行された際にも、その点が重視されました。そのような中で、中学入試においても「記述型の出題」が増えてきています。そこで今回は「国語の記述問題」を学習する際の留意点に関して、書かせていただきます。


本質的な「表現力」と、国語の「記述問題で正解するための力」には、共通する点もあれば、異なる点もあります。「問題に正解する力」には、ある程度テクニック的な要素も含まれます。入試へ向けた解法テクニックとして考えると、それは本質的な表現力からはズレてしまうように思われますが、根本的な「相手に対して正確に物事を伝える」という点においては、共通であると思います。


また、これからは外国語能力を高めていくことが必要だと言われています。そのためには、英語を「語学」として学ぶだけではなく、その背景にある文化も含めて理解をすることが重要だと、私は考えています。なぜならば、対話をする相手を理解することがコミュニケーションにおいては重要だからです。そして、その点に関しては「外国語」でも「母国語(日本語)」でも違いはありません。「国語」という科目で学んでいる「表現力」は、「日本語を使った表現力」だけにとどまらず、より幅広い「表現力」につながるものなのです。「母国語」を使ってしっかりと表現ができる力を持っていなければ、いくら「外国語」を勉強したとしても、外国語を使ったコミュニケーションができるようにはならないでしょう。


この「相手に対する理解」という点が、国語の記述問題を解く際のひとつのキーワードになるのです。それでは、問題を解くときに意識すべき「相手」とは誰のことでしょう。それは、文章の筆者ではなく、設問を作った(もしくは模範解答を用意した)出題者ということになります。「出題者はこの問題で何を答えさせようとしているのか」、それを意識することが記述問題で正解する最大のポイントです。その点が理解できるようになれば、「どのように考えるべきか」が自然と分かるようになっていきます。もちろん、小3小4の生徒にとっては、かなり高いハードルであることは言うまでもありません。ただ、「問題を作った人(出題者)」の存在を意識し、トレーニングを積み重ねていけば、高学年になる頃にはできるようになるはずです。


また、中学受験においては「精神的成長が重要」とよく言われます。特にこの「出題者意図の理解」という点においては、精神的成長が大きく影響してきます。精神的に成長することで、設問に隠された(決して「隠して」いるわけでもないですが...)部分を読み取ったり、選択肢の「ひっかけ」を見破ったりできるようになるからです。逆に考えれば、「出題者の意図」を読み取ることを意識したトレーニングは、精神的な成長を促すことにつながるわけです。

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