四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『音読の効果』

2015.05.29

今日はとてもうれしい出来事がありました。午前中に行われた本社の会議に出席した後、錦糸町校に向かう途中で、ある方と偶然すれ違いました。「あら...早稲田アカデミーの...」とお声をかけていただいたのです。その方は、いまから18~19年前に池袋本部校で担当していた生徒のお母様でした。その生徒が卒塾され、私も異動したため、ずっとお会いする機会がなかったのですが、覚えていてくださったことをとてもうれしく感じました。もちろん私も覚えていました。塾の講師というのは、一度担当した生徒や保護者の方を忘れないものです。お母様とお話ししているうちに、お子様の顔もはっきり思い出しました。進学された中学校から医学部に進まれ、今はお子様が幼稚園に通っていらっしゃるとうかがいました。私が思い出した当時の生徒の顔から大きく成長され、きっと今は良い父様の顔になられていることでしょう。このブログのこともお話ししましたので、もしかしたらお読みいただいているかもしれません。


さて、前回は「読書」について書かせていただきました。今回も引き続き(以前にも書かせていただいた内容ではあるのですが)国語の文章を読むときに、どのような点に注意すればよいかについて触れさせていただきます。


国語の読解力の基本は、もちろん文章に書かれていることを理解することです。文章内容を理解するためには、頭の中で文章を組み立てることが必要になります。実は、問題を解くために読むという意識が強くなってしまうと、頭の中に文章の全体像を構築する前に、「答えを書こう」という気持ちが先に立ち、この部分がおろそかになってしまうことがあります。そのような意識が強いと、高学年になってから国語が苦手になってしまう場合があります。


そこで物語の「読み聞かせ」では、細かい部分よりも「あらすじ」を理解させることに重点を置かなければなりません。ご家庭でも、物語を読み聞かせたあとで、「登場人物」や「あらすじ」についていろいろと質問することで、お子様が文章内容をどれくらい理解できているか試してみてください。


では次に、「音読」について考えてみましょう。「音読」にはさまざまな効果があります。文章を読むことに集中させる、声を出すことで元気になりやる気も生まれる、会話文などを感情こめて音読することで心情を理解することができる...などです。特に、自分の声を自分で聞くことで、ただ文章を目で追いかける「黙読」より集中できるので、脳がより活性化すると言われています。そして音読がうまくできるようになれば、文章を読むことに対して自信が生まれます。さらに保護者の皆様が聞くことによって、思わぬ「つまずき」などに気がつくというメリットもあります。国語が苦手な生徒が「音読」をすると、助詞(て・に・を・は)を間違えることが多いのですが、それを矯正していくだけでも国語の成績は上がっていくことがあります。


このように「音読」にはさまざまなプラスの効果があります。しかし気を付けなければならないこともあるのです。それは、「正しく読む」ことだけに注意がいってしまい、文章内容の理解が疎かになってしまう場合があるということです。この点に関しては、「読み聞かせ」のところでも書きましたが、内容について質問することで、理解度を確認することができます。

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