四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「『叱る』ではなく『教えてあげる』」

2015.12.09

電車の中で、幼稚園児くらいの子どもが大きな声を出していました。一緒にいたお母様がそれほど強く注意をしなかったからか、その子どもは、さらに座席の上に靴のまま上がって遊んでいました。その様子を見ていた周りの乗客は少し眉をしかめているような状態でした。すると、前の席に座っていらした70代くらいの女性がお母様に声をかけられました。


「電車の中では大きな声を出したり、座席の上にのぼったりしてはいけないと教えてあげてくださいね。お子さんがかわいそうですよ」、そんな優しいお言葉でした。実はかなり昔の話です。まだ、駆け出しの講師だった私が、「叱る」ということの意味を考えるきっかけとなった言葉です。


大きな声を出している子どもに「静かにしなさい!」と叱責をするのは簡単です。ただ、そうすると「叱られるから静かにしなければならない」と思いこんでしまう可能性があります。次に違う人と一緒に電車に乗ったときに、「お母さんだと叱られるけれど、おばあちゃんならやさしいから大丈夫だ...」そんな風に考えてしまうかもしれません。「電車の中では本を読んでいる人もいるし、静かに考え事をしている人もいるから、その邪魔になるような大きな声を出すのはいけないことなのよ」、「座席の上に靴で上がると汚れるから、次に座る人が困るでしょ」、そう「教えて」あげることが大切なのです。


授業の受け方に対する注意や、家庭学習への取り組み方に関する指導も、同じです。「授業中に頬杖をついたり、壁によりかかったりしてはいけないのはなぜか」、「授業中に勝手に発言してはいけないのはなぜか」というようなことは、新しく担当したクラスでは必ず話をするようにしています。家庭学習については、「宿題をやってこないとどうしてダメなのか」というよりも、「宿題をちゃんとやるとどうなるのか」という点について、しっかりと理解してもらうように話をしています。宿題をやる目的がはっきりすれば、その宿題に対する取り組み姿勢も変わりますし、宿題のやり方も変わってくるはずなのです。


ご家庭ではいかがでしょうか。「意味はよくわかっていないけど、お母さんに叱られるから...」というような状態になっていませんでしょうか。小3くらいになれば、日常生活面においては、お母さんが叱る理由については「教わらなくてもなんとなくわかる」ようにもなってきますが、学習面においてはまだまだ不十分なはずです。ご家庭においても、その点を心がけていただければと思います。

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