四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「完全数 ~perfect number~」

2016.12.21

あと数日でクリスマスなので、今日は聖書について。とはいってもキリスト教に関するような話ではありません。


「完全数」をご存知でしょうか。完全数という数字を小さい方から順に調べていくと、初めに出てくるのは「6」になります。


では、「完全数」とはどんな数なのでしょうか。簡単に言えば「ある数の約数のうち、その数を除いた約数の和がその数になるもの」です。言い方をかえれば「ある数の約数をすべて足すとその数の2倍になるもの」となります。こう聞くと、そんなに難しく感じないはずです。早稲田アカデミーのカリキュラムでは、「約数」は小4で出てきますから、小学生でもできるレベルの問題だと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、そんなに簡単な問題ではないのです。


上記のような条件を満たす「完全数」の中で、一番小さいものは「6」で、その次は「28」となります。そしてその次は「496」。この「496」という数字は、古代ギリシア人が天地創造に関わる数としてあがめ、さらに現代では「相対性理論」と「素粒子」の数式解明に大きくつながる数字だそうです。実は以前にNHKで放送されていた番組の受け売りなのですが...。そして、4つ目の完全数は「8128」、そして、その次はなんと「33550336」。


インターネットで調べてみたところ、2014年時点で発見されている「完全数」は全部で48個であり、そのすべては「末尾が6か8の偶数」になっています。そして「末尾が6、8以外の完全数が存在するか否か」「奇数の完全数が存在するか否か」という問題に関しては、いまでも未解決だそうです。小学生の「算数」のレベルを大きく越えている問題であることがおわかりいただけるでしょう。


この「完全数」の問題ですが、実は今年の中学入試で出題した学校があります。都立大泉高校附属中です。「(問題文中に出てくる)28は、その約数から28自身を除いた数をすべてたすと、28になります。そういう数を(28以外で)ひとつ挙げなさい」というような問題でした。作られたのは数学の先生なのでしょう。もちろん「完全数」のことをご存知で出題されたのだと思います。小6生が解くのであれば、1から順に約数を調べていって、正解を求めるのが近道のはずです。当然答えは「6」となります。


昨日、私が担当している小4クラスの授業で、「ある数があります。約数をすべてたすとその数の2倍になる、そういう数を小さい方から順に3つ探しなさい」という問題を出してみました。「6」と「28」までは答えられたのですが、当たり前ですけれど「496」まではたどり着けませんでした。「実はね...」ということで、上記したような「完全数」の話をしたのですが、とても興味深そうに聞いてくれていました。「まだまだ未解決の謎があって...」と話をしたところ、ある生徒は「オレが解いてやる、その謎!」と言ってくれました。とても頼もしく感じた瞬間でした。

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