四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『新年度へ向けて④ ~テキストや教材の整理~』

2017.01.18

「新年度へ向けて」と題して書かせていただいている記事の第4回目です。1回目は筆記用具に関して、2・3回目は学習内容面について書かせていただきました。今回は、旧学年で使用をしていたテキストや教材などをどのように整理するか、という点についてまとめてみました。


まず、学年の切り替わりの時期には、家庭学習をする場所の整理整頓をしていただくとよいでしょう。勉強部屋や学習場所の整理整頓(大掃除)をすることで、「さぁ、新しい学年のスタートだ!」という前向きな気持ちになるはずです。


早稲田アカデミーの標準日程では、1月末で現学年での授業が終了します。2月の初旬は東京・神奈川の中学入試が行われるため、また新学年の準備期間として、非受験学年の通常授業(小学部)はお休みとなります。今年度の日程では2月6日(月)が小学部新年度開講日となりますので、一週間ほど学習カリキュラムが進まない期間があります。そこで「大掃除」を行ってみてはいかがでしょうか。


さて、そのときに悩むのが「今使用しているテキストや教材」の整理です。「もしかしたら使うかもしれない」と考えると、整理や処分するのをためらってしまうこともあるでしょう。私は、保護者の方からテキストや教材の整理についてご質問をいただいたときには、「テキストやノートはとっておいた方がよいでしょう。プリント類は処分していただいてもかまわないと思います」とお答えしています。


もちろん学年をまたいで使う教材(『考える社会科地図』や『星座早見ばん』など)は新学年になっても使いますが、原則として旧年度(全学年)の教材を授業内で扱うことはありません。ただ、家庭学習において、旧学年の教材を使ったアドバイスをさせていただくことはあります。


たとえば、国語の『予習シリーズ』は学年が上がると出題されている文章の難度が上がります。「読む対象とされている学齢が上がる」と表現してもよいかもしれません。読解力をつけるためには、「難しい文章を読む」ことも大切です。一方で、お子様の精神的な発達段階とかけ離れているレベルの文章では、「読んでも理解できない→字面だけを追いかけて読んだ気になる」というような悪循環に陥ってしまう可能性もあります。このような場合、「文章を読んで理解する」という感覚を身に付けるために、旧学年のテキストに出てくる文章の読解をお勧めすることがあります。半年・一年前に読んだときにはよくわからなかった文章でも、時間が経ってから読み返してみるとすんなり頭に入ってくるものです。精神的な成長もありますし、その間にいろいろな経験を積んでもいますから、すっと理解できるわけです。算数や理科などでも同様です。苦手だった単元でも、少し経ってからひも解いてみると「なんだ、簡単じゃないか」と思えることが多いはずです。


教材を整理するうえで一番悩むのは「テスト」ではないでしょうか。『土曜YT講座』をご受講いただいている方は、毎週のテストがたまっているはずです。特に「間違えたところは『直し』をしなければならないから...」というお考えのもとに保管していることも多いとは思いますが、もしそうであればここで処分をしてもかまわないと思います。


中学受験学習における毎週のテストは、「テストを受けること」に大きな意味があります。中学生以上のテストでは「抜けている部分を見つけて」「そこを埋める」ということが大切になるのですが、精神的に発達成長過程にある小学生にとっては、テストという場で真剣に問題に向き合うことが学力向上につながる一番大切なポイントになります。言い換えれば、「テストの直し」は二の次だとお考え下さい。ましてここからは新学年のカリキュラムがどんどん進んでいくことになりますので、旧学年のテストの直しをしている時間はまずありません。つまり、とっておいたとしても、今後「教材」として活用することはないものということになります。


ただ「テキスト」も「ノート」も「テスト」も、お子様がここまで学習してきた証としては、ある意味大切なものであることも確かです。以前担当していた生徒のお母様から、入試直前にそれまでしまっておいた「塾通いを始めてからの全てのテキストやノート、プリント」を部屋中に広げて、「これだけやってきたのだから大丈夫!」と親子で会話をしたというお話をうかがったことがあります。実は私も小6のときに使っていた『予習シリーズ』を実家の書庫に保管してあります。

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