四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『全国統一小学生テストを終えて ~問題はちゃんと読めていましたか~』

2018.06.06

先日の日曜日(6月3日)、『全国統一小学生テスト』が行われました。受験をされたお子様の感想はいかがでしたでしょうか?どの学年も、全体として良い問題でした。四谷大塚ではテストの平均点が、小1が80%、小2小3が60%、小4~小6が55%程度となるように問題を作成しているそうですが、私の個人的な印象としては、それよりも若干下回る学年が多いのではないかと見ています。


『全国統一小学生テスト』では毎回のことですが、各学年の算数の最終問題は比較的難度が高く設定されています。小1で出題された「サイコロを振り出た目に従ってコマを動かす問題」は、小5で学習する「場合の数」の考え方が土台になっています。実はこの問題、先日(5月26日)実施された小5YTのSコースのテストで出題されていた問題の基本類題です。小1生にとってはかなりハードルの高い問題だったのではないでしょうか。


小2の「絵がかかれた立方体(はこ)を転がす」という問題では、図形の向きがポイントでしたが、そこで間違えてしまった生徒が多いようです。小3の「カードのたし算」、小4の「数字が書かれた積み木」の問題では、設問条件の正確な読み取りが必要でした。


小5では「立方体の中につるされた糸」という出題でしたが、この問題は非常にレベルの高い「図形感覚」が必要になるものでした。「立体の内部にある図形」というのは、中学入試でもよく出題されますが、いずれも簡単に解けるものではなく、「立体をとらえる感覚」「立体の中の平面を考えるというスキル」などが必要になってくる難問です。今回の問題は中学受験の一般的な出題と比較しても、「難しい」方に分類されるものといえるでしょう。


6月14日(木)をめどに成績帳票や成績分析資料が、四谷大塚から早稲田アカデミー各校舎に届く予定です。ご家庭へは、校舎から返却されるはずですので、楽しみにお待ちいただければと思います。


成績が返却された際にご確認いただきたいのは、得点や偏差値だけではありません。ぜひ「正答率」もあわせてご覧ください。どの学年でも(その学齢の生徒にとっては)かなり難しい問題が出題されています。そういった問題では「正答率」はかなり低くなるはずです。今回の小1算数の最終問題は、私の個人的な予想では1%未満になるのではないかと思っています。お子様がどんな問題で〇になり、どんな問題で×がついているのかを、正答率と合わせてご覧いただくことで、今後学習を進めていく方向性も見えてくるはずです。


今回、早稲田アカデミーの各校舎で実施した「小1~小3生対象保護者セミナー」では、「教科書が読めない子どもたち」という話をさせていただきました。「書かれている内容を正確に読み取れれば正解できる問題で、失点をしてしまう中学生・高校生が多い」という内容だったのですが、この「読んで理解する力(読解力)」は今回の全国統一小学生テストでも必要な問題が多くありました。国語だけではなく、算数でも出題文が長く、条件をひとつ読み飛ばしてしまうと問題が理解できないというものが出題されていました。もし復習や解き直しをされるのであれば、「お子様が問題文を正確に理解できていたか」という点から進めていただくのもよいと思います。

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