四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『バツがつくと機嫌が悪くなる』

2019.04.12

2月から新学年がスタートして2カ月半が経過しました。1週間の学習スケジュールも固まりつつあるころだと思います。一方で学習内容はどの学年でも少しずつ難度が上がってきており、一つひとつの家庭学習にかかる時間も増えてきているのではないでしょうか。


毎年小3・小4の保護者の皆様から、この時期にいただくご相談で「宿題が終わったところでお母様がマル付けをしてバツが付くととたんに機嫌が悪くなる」というものがあります。バツがたくさん付くと、勉強に対するやる気が低下して宿題を途中で放り出したり、塾に行きたくないと言い始めたりするということもあったりします。


小学校低学年~中学年のお子様は、もともと「ほめられたい」という気持ちが強いものですから、宿題などは「完璧」に仕上げることを目指します。精神的にはまだまだ未熟ですし、経験も少ないので、(よい意味での)妥協ということができないのです。さらに、中学受験を目指して塾に通い始めたお子様ならば、学校では標準以上の成績の方が多いはずですので、「宿題ができない」「たくさんバツを付けられた」というような経験をあまりしていないと思います。そう考えると、「できなかった問題がたくさんあった」という事実は、お子様にとって(大人の想像以上に)ショックなもののはずです。感情を抑えることがまだまだできず、さらに「甘え」が残っている年代のお子様が「宿題ができないことで癇癪を起こす」というのは、ある意味当たり前のことだと思います。


では、そういった場面で親はどうすればよいのでしょうか。難しい問題を解かせてできないと機嫌が悪くなるのですから、簡単な問題だけを解かせるようにすればよいのでしょうか。中学受験を目指すという視点で考えると、それはもちろん論外です。たとえそうではなかったとしても「できる問題」だけを与えていくのは、お子様の成長にとってよくないということは、なんとなくお分かりいただけるのではないでしょうか。


次に、親が「手取り足取り」リードをして失敗しないように導く、という方法があります。「問題を解く」ということで考えれば、わからない問題の「解き方を教える」ということになります。教えるということ自体が悪いわけではないのですが、一からすべてを教えてしまうと、結果、お子様は自分で考えることをせずに、「わかったつもり」になってしまうことにもなりかねません。自分で考えて失敗することで、次には同じ失敗を繰り返さないようになっていくのは、「学習」ということの本質のひとつだと私はとらえています。


高校・大学と学ぶべきことのレベルが上がっていけば、さらに社会に出て働くようになると「正解」が用意されていない問題や課題に多く直面することになります。そういったときには、当たり前ですが正解まで導いてくれる存在はいません。たくさんの失敗を繰り返しながら、多くの試行錯誤を積み重ねて、大きな問題を乗り越えていく……。そのための土台をつくるために、高いハードルにどんどんトライしていってもらいたいと考えています。

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