四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『塾の講師に相談するときに』

2019.10.23

中学受験へ向けたカリキュラムを進めていく中で、たくさんの「焦り」や「不安」を感じることがあるでしょう。お子様自身が「焦り」や「不安」を感じることもあるでしょうが、それ以上に、保護者の皆様の方がそれを強く感じることがあるはずです。大人はそれまでのご自身の経験から、入試という最終的な目標を(子どもと比較して相対的に)より大きなものとして感じることがあります。また、入試までの日数も、そこまででできることが逆算できる分だけ、お子様よりも短く感じてしまうでしょう。


一方で、中学受験に関しては「知識」として研究することはできても、実感としてそれをとらえることはなかなか難しいものです。入試問題を見ても、今のお子様の状況から、そこまでたどり着く道筋はなかなか見えてこないでしょう。逆に、その道筋のあまりの「遠さ」に「不安」を感じてしまうこともあるはずです。ご兄弟が入試を経験されていれば、ある程度はつかむことができるかもしれませんが、それでも「いまの状態から最終的なゴールまで、本当にたどりけるのか」という気持ちは常につきまとうものだと思います。


そういった「焦り」「不安」は塾の講師にご相談いただくのが、一番よい方法です。相談というよりも、気持ちをぶつけていただくという表現の方が適切かもしれません。我々は毎年多くの受験生を担当しておりますので、どのように進めていけばゴールまでたどり着くか、そのゴールに対して今どこまで近づいているのか、という点を考えながら指導を進めています。保護者の皆様の「焦り」「不安」を完全になくすことは難しいですが、軽減することはできるはずです。


さて、塾の講師に相談するときのポイントを2つアドバイスさせていただきます。
1つ目は、お子様を直接担当している講師に相談をすることです。私も早稲田アカデミーにお子様を通わせている保護者からのご相談をいただくことがよくあります。ときには他の塾に通わせているけれど……、という方からもご相談をいただきます。模試の結果数値などから、志望校合格の可能性などをアドバイスさせていただくこともあるのですが、実際にそこでお話しできるのは一般的なことでしかありません。模試の偏差値や得点はあくまで現在の到達点でしかありませんから、ここからどれくらい伸びていくかという点に関しては、お子様の状況を見なければわからない部分が多くあります。性格やタイプもそうですし、そこまでの学習状況(蓄積されている学習)もあります。なによりも、中学入試の場合は「精神的な成長」が大きなカギを握りますので、どのような精神的成長段階にあるかを見なければ、どんなに経験のある講師でも、お子様の未来・将来を占うことはできないものです。


2つ目のポイントです。的確なアドバイスを求めるのであれば、最終的なゴールとなる志望校の目標をはっきりと塾の講師に伝えることが大切です。たとえば「ここからだと、どの辺の学校が狙えますか」というご質問はとても答えにくいものです。まったく塾に通っていなくて、小6になる段階で通塾を始めた場合、一般的には最難関校に合格するのは難しいと言われています。しかし、もちろん絶対に無理なものでもありません。私が担当していた生徒でも、小6になる4月に入塾テストを受験し、合格ラインぎりぎりからのスタートだったのですが、10ヶ月後には最難関中の1つに数えられる学校に合格を果たした生徒がいました。


目指す学校が決まっているのであればその学校を、まだ明確に決まっていないのであれば、通わせたい中学校としてどのようなご希望があるのかをしっかりとお伝えいただくのがよいでしょう。そうすれば、そこに「届くか届かないか」という「占い」のようなアドバイスではなく、「そこまでの道筋をどのように考えていけばよいのか」というアドバイスをさせていただくことができます。全体的な成績によるマイルストーンだけではなく、科目ごとの学習指針や、必要となる講座、学習時間、教材などについてもお話しすることもできるようになります。「大丈夫です」「だいたいこのあたりの学校なら目指せます」という先生の漠然とした言葉よりも、これからの、より具体的な方向性を聞くことで、保護者の皆様の「焦り」「不安」なども軽減されることでしょう。

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