四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『今日の一題』

2020.04.24

小学生のころ、電車の切符に印字してある4ケタの数字を使って「10」をつくるという遊びをした経験のある方はいらっしゃいますでしょうか。私は父と電車に乗ったときに教わって、それから電車に乗るたびに、さらには4つの数字を見るたびに、「10」をつくる計算式を考えていた記憶があります。私が勤務している武蔵小杉校の職員に聞いてみたところ、やはりやったことがあるという意見が多くありました。


ルールは単純です。「4つの数字をすべて使う」「+-×÷はどれをいくつ使ってもよい」というだけです。たとえば「1234」という4つの数字で考えてみましょう。実はこの4つの数字で「10」をつくる方法はいくつもあります。


① 1+2+3+4=10
② 2×3+4×1=10
③ 3×4-2×1=10 などなど


4つの数字を頭の中でいろいろと試しながら、考えていくという単純なゲームです。


実はこの「頭の中でいろいろと試す」「頭の中で数字や計算を考える」というのは、考える力を育むためにとても効果があると考えています。特に「かけ算・わり算」の基本を教わった小3から小4にかけて、こういった思考を育てておくと、小5以上の算数学習に大きく役に立つと思います。思考力の土台を築くことにつながりますから、中学受験のためだけではなく、将来にも大きく生きるはずです。


「頭の中で考える」という行為は、机に向かわなくてもできます。普段の生活の中でもいろいろなタイミングで頭は回転しています。保護者の皆様も、「家事をしながらいろいろと考えている」という経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。というよりも、ほぼ毎日がそうなのではないでしょうか。私はこのブログ原稿の草案を考えるのは、朝出勤前にシャワーを浴びているときが多いというのは、以前にも書かせていただきました。


以前、校舎の保護者会で上記のようなお話をさせていただいたところ、あるお母様から「先生の話を聞いて、毎日一題のクイズを出すようにしたんです」というお話をうかがいました。朝、お子様に問題をひとつ出す、そして夜寝る前にその答えを聞いてみる……そんな習慣をつくられたようでした。正解だったらシールをカレンダーに貼る、そんな工夫もされていました。


新型コロナウイルスの影響で学校はお休み、外出もできない、という中で、お子様にもストレスがたまってきているかもしれません。「今日の一題」「毎日のクイズ」もお子様とのコミュニケーションを図る、ひとつの工夫になるかと思います。また、お子様に出す問題やクイズを考えるのも、保護者の皆様ご自身の楽しみにもしていただければと思います。さらに、その問題に対してお子様がどのように考えたのかを聞くのは、お子様の考え方を理解するのにもプラスになるはずです。「こんな風に考えるんだ」という新しい発見があるかもしれません。


「今日の一題」を出す場合には、お子様が瞬時に答えがでない問題の方が望ましいと思います。最初にご紹介した「『1234』という4つの数字で10をつくる」という問題も、小3であれば「ひとつの方法(計算式)を考えてきなさい」でよいでしょう。できていたら翌日に「昨日とは違う計算で……」とするのもよいかもしれません。小4の場合には「3つの違う方法(計算式)を考えてきなさい」という問題の出し方にしてもよいかもしれません。


算数の問題である必要はありません。国語ならば「条件を決めて俳句をつくらせる」「新しい漢字(創作漢字)を考えさせる」というような問題も面白いですね。社会的な問題でもよいでしょう。「コンビニエンスストアやスーパーマーケットのレジのそばに乾電池が置いてあるのはなぜか」というのは、小5以上では面白い問題になると思います。


早稲田アカデミーの小3カリキュラムではちょうどいま「計算の順序」という単元を扱っています。「4つの数字で10をつくる」という問題を授業で教えてみました。「1234」だけではなく「2222」「3333」「5555」などもやってみたのですが、生徒たちはかなりのスピードで答えを出していました。授業の最後に「9999」を宿題にしたのですが、みんな家で考えてくれていることと思います。


「2222」は…… 2×2×2+2=10
「3333」は…… 3×3+3÷3=10
「5555」は…… 皆さんも考えてみてください 2×5=10に気付けば簡単ですよね。
「9999」は…… 皆さんも考えてみてください。

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