四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『コロナ禍の今、改めて考える…… ~全国統一小学生テストを終えて~』

2020.11.04

昨日実施されました「全国統一小学生テスト」、ご受験いただいた皆様も多くいらっしゃったことと思います。小学校で実施されるテストとは異なり、平均得点率が小1で70%、小2・小3で60%、小4以上の学年では55%と設定されているテストです。中には正答率が10%を切る問題も出題されていますので、こういったテストに慣れていないお子様にとっては、難しく感じられたり、最後まで解き切れなかったり、といったことがあったのではないかと思います。全国規模でさまざまな学習歴の方が受験している模試ですから、そこで出てきた結果や成績がそのままお子様の「能力」を表すものではありません。現在の到達点と課題を確認し、今後の学習の方向性を考える「きっかけ」としてのテストです。まずはがんばって受験したお子様をほめてあげてください。自分ががんばってテストに挑戦をすると、お父様・お母様が笑顔になってくれるということだけで、お子様はテストを受けることを楽しみにするようになり、学習に向かう姿勢も前向きになるはずです。


今回も非常によく練られた問題が出題されました。「高大接続改革(大学入試改革)」で取り上げられているような「思考力・判断力・表現力」「協働性」の基礎土台を試すような問題が随所に見られました。各学年の基礎・基本的な問題から、その場で考える「思考力・応用力」が必要となる問題まで、幅広い出題になっていました。また、どの学年でも試験時間に対する問題量は多めになっていましたので、「スピード」も求められました。各学年の算数の後半の問題は、思考力を試す問題として、単に知っていることを使うだけではなく、その場で考えることが必要なものになっていましたから、まずは問題を読んで理解することが必要でした。小1算数の大問[8]は「ルール」を理解するのにかなりの「力」が必要だったのではないでしょうか。全体的な問題量も含めて考えると、この問題の正答率はかなり低くなるのではないかと個人的には予想しています。小3の大問[6]もおもしろい問題でした。「転がす」と「裏返す」ことによって文字の位置がどう変わるか、ということがイメージできるかどうかがポイントになりますが、それ以前にやはり問題文の意味を理解できるかどうか、というところでも差がついたように思います。


「全国統一小学生テスト」は、受験母集団が全国規模で幅広いこともあり、また上記のような特徴を持った出題がされますので、成績結果を見るときには注意が必要です。単なる「得点・偏差値・順位」といったものだけではなく、設問ごとの正答率や出題意図を理解したうえで、お子様の答案を分析することが必要になります。塾生の方は、必修テストなどの結果や授業中の状況と併せて、12月に実施される校舎個別面談で一人ひとりの学習課題なども含めてお話しさせていただきます。塾生以外(一般生)のに方には、早稲田アカデミー各校舎で実施する「個別カウンセリング」で帳票の見方や学習課題分析などをさせていただきますので、受験された校舎にお問い合わせください。今回の「全国統一小学生テスト」では、早稲田アカデミーでの受験希望が多く、一部の校舎では「定員締切」となったため他会場で受験された方もいらっしゃると思います。その場合でも、成績帳票をお持ちいただければ、早稲田アカデミーで「個別カウンセリング」をお受けいただくことが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。


さて、「全国統一小学生テスト」における「主人公」はもちろんテストをお受けいただいたお子様たちなのですが、早稲田アカデミーではテストをお待ちいただく保護者の皆様のために、「教育セミナー」を同時開催させていただきました。今回は、全校舎で「コロナ禍の今、改めて考える どうする?中学受験」と題して、コロナ禍において見直されてきている「私学の魅力」、さらには今後の首都圏中学入試の動向予測などについてお話しさせていただきました。


夏休み前にあるお母様からご相談いただきました。早稲田アカデミーの中学部(高校受験コース)に通われているお兄様がいらっしゃり、その弟さんについてのお話しでした。


「兄は中学入試をまったく考えていなくて、公立中に通わせているのだけれど、一学期中の中学校の状況を見て不安になりました。同級生で私立中に行った子たちは、オンラインの授業とか毎日の家庭学習課題とか、いろいろやっているみたいだけれど、うちの子は『することがない』と言って、毎日テレビやスマホばかり見て……。下の弟は私立中学を考えようかと思っているのだけれど、小4のいまからでも間に合いますか?」というご相談でした。


今回のセミナーは、「withコロナ」「afterコロナ」「新しい生活様式」と言われる中で、お子様のこれからの「学び」をお考えいただくきっかけとさせていただくことができたのではないかと思います。

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