四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『発想の転換』

2020.04.28

前回「4ケタの数字を使って『10』をつくる」というゲームをご紹介しました。外出自粛の中でインターネットをご覧になる方が増えたからでしょうか、その記事についてもさまざまなお問い合わせやご意見をいただきました。一番多かったのは「9999」の答えに関してのお問い合わせでしたので、答え合わせをしておきます。


(答)(9×9+9)÷9=10


実は、卒塾生からもこのゲームについての「挑戦状」が届きました。彼も「stay home」の中でインターネットをいろいろと見ていたそうです。ふと「福田先生はまだブログを書いているのかな」と早稲田アカデミーのHPを開き、前回の記事を読んでさっそく連絡をくれたそうです。


私立の難関中に進学した彼は、「10をつくるゲームは中1のときに学校で流行ったんですよ」と教えてくれました。そのとき、ある生徒が出題したのが「1158」という4つの数字。そう簡単には正解にたどり着かないので、みんなかなり考えたそうです。できた生徒は自慢していたとか。さらに、それを受けて彼が考えたのは「1337」という4つの数字。「先生も考えてみてください」という挑戦を受けて、私も考えました。武蔵小杉校から帰宅する湘南新宿ラインの中で、4つの数字をずっと頭の中で「こねくりまわして」いました。自宅に帰るためには新宿で乗り換えるのですが、集中しすぎていて、危うく電車を乗り過ごしてしまうところでした。


今日ご紹介した二つの問題は、前回紹介したものとはレベルが違います。さすがに難関中の生徒が考えた問題です。ちなみにきちんと四則計算を使って「10」にすることはできますが、小3ではまだ難しいと思います。小4以上のお子様であれば、これまでに学習した内容で解くことができるはずです。保護者の皆様にもぜひ考えてみていただきたいのですが、「発想の転換」が必要にもなってきます。


「発想の転換」は算数の難問を解くときには必要になる思考方法のひとつです。パターン化された「知っている」問題を解くときには、教わったパターンを当てはめて処理をすれば答えに行きつくことはできますが、「初めて見る」問題の場合、どこから手をつけるのかを考えるところがスタートラインです。ただ、切り口を見つけてそこから考え始めたとしても、そのまま進めていって正解にたどり着くとは限りません。行き詰まってしまうケースも多く出てきます。そういった場合に、もう一度スタートラインに戻って考え直すということができるかどうかが、ある意味「難問に対する適性」といえるかもしれません。行き詰まってしまうと「もう無理」とか「これは『捨て問』」とか、そんな風に言い始めてしまう生徒がいます。もしくは、すぐに「質問」をして解決しようとしたり、解答・解説を見て「なるほど」とわかったつもりになったり……。


ちょっと行き詰まっても、もう一度はじめに戻って、別の方法を試していくということが難問を解くために必要となる「思考方法」だと、私は考えています。前回も触れていますが、そういった思考は机の前だけで行うものではありません。難しい問題やわからなかった問題を、ずっと頭の中で考えていると、まったく違うことをしているときに、ある瞬間、「あっ!」と気が付く……。そんな繰り返しが「思考のトレーニング」になるのです。


早稲田アカデミーの授業で出される課題(宿題)は、学校の宿題のように「誰もができる」レベルのものだけではありません。正解にはたどり着かなくても「考える」ことそのものが「学習」「思考」につながるような問題も出されています。「答えを出すこと」よりも「いかに考えるか・考えているか」、そんな視点でお子様の家庭学習をご覧いただければと思います。


「1158」「1337」の答えは……またいつか答え合わせをいたします。
皆様も彼からの「挑戦」を受けてみてください。私は15分程度で答えにたどり着きました。

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