四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『しんどい……』

2020.05.27

テレビの番組で、新型コロナウイルスの影響により営業を自粛している飲食店の方へのインタビューをやっていました。現状についての質問に対して「正直、しんどいですわ」と答えていらっしゃいました。関西のお店の方でした。私の父親の実家は大阪にあり、祖母がよく「あぁ、しんど……」と言っていたのを思い出しました。


そこでいろいろと考えてみていたのですが、私の周りで「しんどい」という言葉を使う人は偏っているように思えてきました。いろいろな場面でよく使う人、ほとんど使わない人……。調べてみると、やはり関西圏でよく使われる言葉のようです。よく使う人は自身が関西出身だったり、親が関西出身だったりということがあるのかもしれません。


「しんどい」という言葉をいろいろと考えてみると、さまざまな場面で使える便利な言葉のように思い始めました。もしお子様から「『しんどい』ってどういう意味?」と聞かれたら、どう答えるか考えてみてください。「きつい」「大変」「だるい」……そんな言葉が思いつくのではないでしょうか。私も用例を考えてみたのですが、いろいろな表現が思いつきます。


「今日はちょっとしんどい」→「今日はちょっと(身体が)だるい」「体調がよくない」「つらい」
「この問題はしんどい」→「この問題はきつい・解くのが困難・大変」
「少ししんどい話があるのですが」→「面倒くさい話・あまりよくない話」
「今日の風はしんどい」→「風が強く吹いていて大変だ」


「しんどい」の代わりに使う言葉として一番近いのは「きつい」という言葉ではないでしょうか。しかし、まったく同じニュアンスにはならないように思うのです。「この問題はしんどい」という表現の場合、「ちょっと大変だけれど、解決はできそうだ」というようにもとらえられますが、「この問題はきつい」と表現すると、「解決するのは厳しい」というニュアンスが強くなるように感じます。「しんどい」という言葉の持つニュアンスと「きつい」という言葉の持つニュアンスの違いによるものだと思うのですが。


日本語の類語だけではなく、英語だったらどのように表現されるのかを考えてみたときに思いついたのが「heavy」という単語です。この表現はもしかすると「しんどい」に一番近いのかもしれないと思います。英語で「(身体が)だるい」というときに「feel heavy」という表現を使うことがあると教わった記憶があります。前述させていただいた用例も「この問題はヘヴィだ」「少しヘヴィな話が」「今日の風はヘヴィだ」と言えば通じると思うのです。


今回は、ちょっとした言葉の話をさせていただきました。先々週のブログ記事で『考える時間が思考力を育てる』と題して、数字を頭の中でいろいろと考えるという話を書かせていただきましたが、言葉に関しても同様のことができるはずです。お子様とのちょっとした会話の中でも、「考えるきっかけ」をつくってあげていただければと思います。


新型コロナウイルスの影響による「緊急事態宣言」「自粛」で「heavy」な状況ですが、あえて今回は少し軽めの記事を書かせていただきました。

同じテーマの最新記事

2020.05.27 『しんどい……』
2020.05.22 『甲子園』
2020.05.20 『テストの効果』
2020.05.15 『考える時間が思考力を育てる②』
2020.05.13 『考える時間が思考力を育てる①』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー