四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『テストの受け方 ~ケアレスミスと見直し~』

2021.02.19

新型コロナウイルス感染症については、まだ予断を許さない状況は続いておりますが、ワクチン接種開始という明るいニュースも聞こえています。昨年の受験生たちは、進学を決めた学校の入学式が延期になったり、新学期になっても登校できなかったりと、中学校生活のスタートでさまざまな「不自由」があったようです。今年の受験生たちは、この一年間、コロナ禍の中で苦労してきた分、中学生としての新しいスタートが明るいものになってほしいと思っているところです。


さて、早稲田アカデミーでは学校に先駆けて新年度が始まりました。旧学年で早稲田アカデミーに通われていた方にとっては、新学年カリキュラム(国語・算数)の初めの方は「復習内容」となるものが多いはずです。特に小3時に『コンパス』というテキストを進めていた方にとっては、小4『予習シリーズ』は少し簡単に感じられるかもしれません。ただ、そこで油断をしてしまうと、その先に「壁」がやってきます。前学年中に積み残していた部分をしっかりと埋めて、次につなげることができるように学習を進めていただければと思います。


また、小4・小5では「カリキュラムテスト」も始まりましたので、今回はテストを受けるときのポイントについて触れさせていただきます。「テストを受けることそのものが学力向上につながる」という点に関しては、以前このブログでも触れさせていただいておりますし、『クローバーセミナー』などの講演会でも詳しくお話ししておりますので、今回は割愛いたしますが、そのテストの受け方によって、学習効果にも差が出てきます。


ケアレスミスが多いタイプの生徒がいます。「考え方や解き方がわかっていても、ミスをしてしまったことによって正解とならない」というのがケアレスミスの定義でしょう。こういったミスは一般的には「頭の回転が速い生徒」によく見られる傾向です。回転が速い分、急いで解こうとして作業スピードが頭の回転に追いつかないということがあるわけです。ですから、筆算の字が汚くなって「0」と「6」を書き間違えたり、漢字を写し間違えたり、ということが起こってしまいます。低学年の段階では、短所を克服するよりも、長所を伸ばすことが大切ですので、こういったタイプのお子様にあまり口やかましく「ミスはしないように」とは言わないようにしています。ただ高学年になってきたら、考え方や解き方がわかっているからといってミスを軽視してしまうのはよくないことです。


たとえば中学受験の算数の場合、解き始めたら(なるべく)1回で正解にたどり着くようにと私は指導しています。入学試験では制限時間が決まっていますので、「検算」や「解き直し」の時間はほとんど取れないはずです。難関校の場合、正解が「きれいな数字」で出てこない場合があります。約分できない桁数の多い分数が正解になったりするわけです。こういった学校を受験する場合、「変な数字が出てきたから、間違っているかもしれない」と考えるわけにはいきません。途中で複雑な数字が出てきたとしても、自分の解答力を信じて、最後まで解き切るしかないわけです。万が一、途中でミスをしていたとしても、振り返るわけにはいかないのです。


「カリキュラムテスト」は、こういった「1回で問題を解き切る」という力を養うためにも効果的です(もちろん、学習内容を定着させるためというのが最大の目的ですが……)。そのための第一歩としてまず心がけていただきたいことは、「設問文」を丁寧に読むということになります。よくあるケアレスミスのパターンとして、問題文をよく読んでいなかったために、条件をひとつ見落としてしまったり、問われているものとは違ったことを答えてしまったりというケースです。自分が今までにやった問題の記憶から「たぶんこうだろう」という思い込みで解き始めてしまうケースなどもよくあります。


保護者の皆様もテスト前などに「問題をよく読みなさい」とお子様におっしゃるケースもあるとは思いますが、それが本当に大切なことなのです。さらに「解き終わったら見直しをちゃんとしなさい」という指導をされる場合もあると思います。実は小学生にとって「見直し」は難しいことです。自分がいったん正しいと思って解いているわけですから、それをどう「見直し」ていけばよいのかはわからないはずです。さらに、問題を解いた過程などを見ていっても、なかなかミスを発見することはできないものです。私は「見直し」という言葉は使わずに、「解き終わって時間が余ったら、もう一度問題文をじっくり読み直しなさい」というように指導をしています。そうすることによって「太郎くんの年齢を問われているのに、花子さんの年齢を答えてしまった」「『適切ではないもの』を答えなさいなのに、『適切なもの』を答えてしまった」などのミスに気が付くことができるわけです。

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