四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『「わかる」を「できる」にする家庭学習』

2021.04.14

塾が終わった帰り道、一緒に歩きながら、もしくはお迎えの車の中で、お子様に「今日の授業はどうだった?」とお聞きになる方は多いのではないでしょうか。「算数で立方体の展開図をやったよ」「どうだったの?わかった?」「うん!わかった!」と、そんな会話がよくあることでしょう。さらに、「わかった」と答えてくれたので安心していたら、次のテスト結果を見て青くなった……そんな経験をお持ちの保護者の方もいらっしゃるかもしれません。


よく言われることですが、「わかる」と「できる」は違います。ある程度成長してくると「わかった」ことがすぐに「できる」ようにもなってきますが、小学生の間は学んで理解したことを「できる」ようにするためのトレーニングがとても大切です。そういう意味では、中学生や高校生の学習方法や学習スタイルと、中学受験に向けた学習には大きく異なる点があることをご理解ください。


授業で理解したことを「できる」ようにするのが家庭学習です。塾の授業時間は限られていますので、そのなかで「できる」というレベルになるまで演習時間を確保する……というのはなかなか難しいものです。結果として、家庭学習で「できる」ようにトレーニングをしなければなりません。塾で出される宿題はそのための教材が多いものとお考えください。一方で、中学受験へ向けた学習内容は小学校での学習とは違い、その学齢の生徒にとって難しいものも含まれます。そういった一部の宿題は、自分で「できる」ところまでいかなくても構いません。自宅でしっかりと考えてくることによって、次回の授業につながるものもあるとご理解ください。


「なかなか集中して机に向かえなくて……」「座ってから勉強を始めるまでに時間がかかってしまいます……」というご相談をよくいただきます。お子様の好きなこと(趣味やゲーム)であれば「やりたくて仕方がない」という気持ちがあるので、始めるとすぐに集中することができるでしょう。しかし、家庭学習や宿題は「とてもやりたい」というものではありませんので、やり始めてすぐに集中して一気に進めていくのはなかなか難しいと思います。子どもだけではなく、大人でも「やりたくないもの」を行うときには腰が重くなってしまうのはよくあることではないでしょうか。ただ、実際に何かを始めてみると、心理学的に「作業興奮」といわれる状態に入り、だんだんと集中できるようになってくるのは、大人も子どもも変わらないことのようです。


大人になると、やる気が起きなくても「とりあえず始める」ということができるようになりますが、子どもの場合、なかなかそうはいかないものです。「お母様が何度も言ってやっと始める」「ときにはそれでケンカになる」というようなお話もよく伺います。このようなご相談をいただいたときには、「勉強を始める前に『習慣的に行うこと』を決めておくのも一つの方法です」とお答えすることがあります。その方法について、具体的にいくつかアドバイスさせていただきます。


①軽く体を動かす
これは保護者の皆様も経験があるのではないでしょうか。私も集中して原稿を書こうとする前には、体を動かすことがあります。私の場合は、背筋を伸ばしたり、肩や首を回してみたり、といったレベルですが、小学生の場合は「運動」というレベルでも良いと思います。「勉強前には玄関の前で縄跳びをする」という話を生徒から聞いたことがあります。その生徒のお母様からは、雨が降っていて外で縄跳びができないときは、なんとなく集中できていない様子だとお伺いしました。体を動かすことで血行が良くなり、頭の働きもよくなるという生理学的な裏付けもあるようです。


②15分間お手伝いをする
「この子、大根おろしが得意なんですよ」というお話を、あるお母様から伺いました。家庭学習を始める前の習慣として、「お手伝いをする」というお子様もいらっしゃるようです。キッチンでお母様とちょっとした会話をしながらお手伝いをすることで、気持ちが切り替わるのだと思います。先にご紹介した「体を動かす」ことも考えると、「お風呂掃除」なども良いかもしれません。


③学習環境を整える
これも私の話で恐縮ですが、集中して作業をしようというときには「机の上を片付ける」ことから始めます。きれいに片付けたところで、「よし、頑張るぞ」と背筋を伸ばして取り掛かるわけです。勉強に必要ないものが目の前の机に置かれていれば、当然集中できないでしょう。きれいに片付けた机に、今日勉強する教材と筆記用具を並べる、それも集中するための一つの方法だと思います。


上記以外では、「部屋の空気を入れ替える」という方法も伺ったことがあります。窓とドアを開けて空気を入れ替え、深呼吸をしてから勉強をスタートする、ということでした。頭を働かせるためには新鮮な空気(酸素)が必要ですので、これも生理学的に理にかなった方法のように思います。勉強中に眠くなってきたときも、窓を開けて新鮮な空気を吸うことで目が冴えてくるものです。さらには、「机の前に貼ってある『目標』を声に出して読む」「カレンダーの今日の日付に×をつける」「決まった飲み物を飲む」「小学生新聞に目を通す」といった「習慣」も聞いたことがあります。


お子様の性格やタイプに合わせて、集中して家庭学習に取り組めるような習慣を早めにつくっていただければと思います。

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