四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『例年よりも暖かい……』

2021.04.21

昨日(4月20日)はとても暖かかったので、スーツの上着を脱いで、ワイシャツの袖をまくって外を歩いていました。春を通り越して、初夏を思わせる陽気でした。テレビでも「例年よりも暖かい一日」というような表現が使われていました。


テレビの天気予報では、よく「例年と比べて……」という表現が使われますが、その基準値がどのようなものかご存知でしょうか。実は、気象庁が作成している「平年値」というものがあるのです。平年値とは「気温、降水量、日照時間、積雪の深さ、風向、風速、湿度、気圧」といった項目について、過去30年間の平均値をとった数字が使われています。この「平年値」は毎年見直されるわけではなく、10年ごとに更新されるそうです。2021年4月現在使われているものは、1981年から2010年までの平均値です。そして、今年が見直される年ということになっており、5月19日から新しい平年値が使われることになります。新しい平年値は、1991年から2020年までの平均値、となるわけです。


特に気温については、ここ数年天気予報で「例年よりも高い」と言われることが多かったと思いますが、上記の点を考えてみると、「40年前から10年前までの平均」と照らし合わせていたわけですから、ある意味当たり前のことだとも思えてきます。気象庁のホームページには以下のような記載があります。


年平均気温の新平年値は、現平年値よりも全国的に0.1~0.5℃程度高くなります。日本の平均気温は、長期的に見て、さまざまな時間スケールの変動を伴いながら上昇しており、1980年代後半から急速に気温が上昇しています。その背景には、温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化による長期的な昇温傾向と数十年周期の自然変動の影響があると考えられます。こうした地球温暖化や自然変動の影響に加え、地点によっては都市化も影響していると考えられます。


「都市化による気温の変化」という点について、以前私が担当していた小学4年生の生徒が、「夏休みの自由研究」でつくったレポートを思い出しました。「去年の夏休みに秋田のおばあちゃんの家に行ったときに、昼間は暑かったけれど夜になると涼しくなった。自分の住んでいるマンションでは、夜にベランダに出てみても、涼しくなっていなかった。そこが不思議だったので調べてみました」というところから始まるレポートでした。夏休み期間中の毎日、昼と夜の同じ時間に、マンションのベランダの気温を定点観測し、同じことをおばあちゃんにもお願いして、庭の気温を測ってもらった結果をグラフにまとめてありました。そのグラフには見事に「ヒートアイランド現象」が表れていました。


さらに、調べた結果だけではなく、「なぜそうなるか」という考察も書かれていて、とても興味深く読ませてもらったのを覚えています。考えられる要因として「緑地や河川の減少」「アスファルト・コンクリートの増加」などが挙げられていたのですが、そのなかで「エアコンの室外機」が大きな要因として取り上げられていて、エアコンの仕組みなどについても言及していたのには驚きました。


もうすぐゴールデンウィークがやってきます。早稲田アカデミーの生徒の皆さんは、連休が明けてすぐに必修テスト(公開組分けテスト)がありますので、その対策をしなければ……とお考えの方もいらっしゃるでしょう。ただ、せっかくの連休ですから、いろいろな意味で気分転換を図っていただくのもよいと思います。保護者会などではよくお話しするのですが、この時期にはお子様が興味を持ちそうなものを研究していただくのもよいと思います。「夏休みの自由研究」のテーマなどをこの時期に決めておいて、少しずつ調べ始めながら夏にまとめる、というのもよいかもしれません。残念ながら、今年のゴールデンウィークもあまり遠出などはできないようですので、ご家庭やご近所でそういった体験などをしていただくのもよいでしょう。

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