四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『全国統一小学生テストが行われます』

2021.05.28

6月6日に「全国統一小学生テスト」が実施されます。昨年の6月は新型コロナウイルスの影響で全国の受験者数は例年よりも少なくなりました。今年も「緊急事態宣言」の延長要請が出されている中ですが、効果的な感染防止対策も行われていますので、お申し込みは昨年よりも多くなっているようです。早稲田アカデミーでも感染防止対策を徹底し、実施させていただくことになります。受験を予定されている方は、お子様を励まして送り出していただければと思います。


さて、テストが終わると気になるのはその結果です。「全国統一小学生テスト」の「成績帳票」は、主催の四谷大塚から実施翌週の中盤を目途にご受験いただいた校舎に送られる予定となっています。今回はその成績帳票の見方に関して触れさせていただきます。


まず保護者の皆様が気になるのは得点・偏差値・順位などの数字でしょう。全国の中でお子様がどれくらいの位置にいるのかはとても気になるところだと思うのですが、ここでご留意いただきたいのは、テストを受験している「母集団」です。「全国統一小学生テスト」は、全国規模で実施されています。2000を超える受験会場の多くが「塾」であることを考えると、その受験者層は平均的な小学生と比較をすると高いレベルにあるはずです。しかし、そこにおいても大きな学力差が存在します。今後返却される成績帳票には都道府県ごとの平均点や順位なども載っていますので、詳細はそちらをご覧いただきたいのですが、やはり「中学受験のための塾(進学塾)が中心」の地域と、「中学受験のための塾が少ない」地域とでは、やはり差がついています。


同じような学習背景で学んでいる生徒の中での偏差値は、その母集団の中における位置づけを確認するためにはある程度の意味を持っているわけですが、「全国統一小学生テスト」の母集団は非常に幅が広いことを考えると、ひとつの参考数値というようにご覧いただくのがよいと考えます。


では、偏差値を参考程度と考えると、成績帳票のどのようなポイントを見ればよいのでしょうか。
私はどのようなテストでも、結果を次の学習につなげていくためには、「正答率」を見ていただくことをおすすめしています。どれくらいの割合の受験生が正答したかがわかるのが「正答率」です。設問ごとにこの正答率とお子様の答案を比較分析していくと、お子様の状況がよくわかってくるはずです。単純にどの単元内容の理解が不足しているかだけではなく、そのテストを受験したときの精神状態まで見えてくることもあります。普段はほとんどしないようなミスを連発しているときは、「集中して受験できていなかったのかな」といった感じです。


全体の得点や偏差値が持つ意味も、正答率に注目して分析をすると、変わってきます。「正答率40%以上」の問題に全部マルがついていての偏差値60と、「正答率」が低い問題(30%以下)でも正解があるが、60%台の問題でミスをしての偏差値60では、その対処法も違ってくるわけです。


正答率との比較をしてみると、テスト結果を評価するべきポイントも見えてくるようになります。「正答率が低い=難しい」問題ということができますので、その問題にマルがついていればほめてあげることができるわけです。しかし、極端に正答率が低い(5%前後)問題の場合は、「正しく考えて正解にたどりついて『解けた』」というよりも、「なんとなく答えを書いたら『あたった』」というケースもあります。この場合は、手放しでほめてしまうと、お子様は納得がいかないのではないでしょうか。「なんでもいいから書いてあたればいいんだ」というように考えてしまう危険性もあります。


さらに、小学生の場合、テスト結果を左右するのは「学力」「学習定着度」だけではありません。一番大きなファクターとして「テストを受けたときの精神状態」があると、私は考えています。ある程度精神的に成長してくれば(高校生くらいになってくれば)、どんな状態でもその時点の100%の実力をテストにぶつけることができるようになります。しかし、小学生の場合、なかなか100%の力でテストを受けることは難しいものです。普段の教室とは違う会場でのテストであったり、出かける前に親子ゲンカをしたりであったり、そんなこともテストの結果には大きく影響してくるものです。


今回の「全国統一小学生テスト」でも、いつもとは違う校舎の雰囲気の中での受験となります。お子様によってはより気合が入って集中して問題に向かうお子様もいるでしょうし、緊張してしまって普段だったらできる問題で失敗してしまうお子様もいらっしゃるかもしれません。テスト前には、お子様の性格やタイプに合わせてお声かけをいただき、送り出していただければと思っています。
「さぁ、競争だ!」

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