四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『通塾を始める時期 ~クローバーセミナーアンケートより~』

2019.11.08

今週の水曜日(11月6日)に実施いたしました「クローバーセミナー」で、ご参加いただいた皆様にお書きいただいたアンケートを拝見しました。「会場がわかりにくかった」「(私の)ネクタイピンにライトが反射してまぶしかった」など、さまざまなご意見を頂戴しています。ご指摘いただいた点は、今後のセミナーに向けて改善してまいります。お話しさせていただいた内容に関しては、「わかりやすかった」というご評価をいただいているものがほとんどで、ホッとしております。次回以降も、なるべく皆様にわかりやすく、さらに有用な情報をお伝えできるように、準備を進めてまいりたいと考えています。


アンケートの中には、私の体調をお気遣いくださるものもありました。確かにここからの時期、進学塾は最繁忙期に入ってまいります。私も1人の講師として、担当している受験生たちのためにも、全力で取り組めるように体調を万全にしていかなければと、改めて考えました。本当にありがとうございます。


さて、今回はそのアンケートでお寄せいただいたご質問にお答えさせていただきます。


「ひと昔前は小5からの通塾だったと思いますが、いまは小3からなのですか? まわりのお母さま方が、今から熱心に塾探しをされています。あまり早い時期からだと『息切れ』しそうで心配です。(小2男子)」


確かに、私自身が中学受験のために四谷大塚に通い始めたのは、小学5年生の2学期からでした。そのころの『予習シリーズ』では「小6の発展問題」に載っていた問題が、今は「小4の基本問題」に載っています。もっとも、私が小学生だったのは「ひと昔」ではなく「ふた昔」以上も前のことになりますが……。


中学入試自体はどんどん進化しています。一つひとつの問題が「複雑になって難しくなっている」というよりも、「より深く考えることが求められる」タイプの問題が増えているというイメージでお考えいただくとよいかもしれません。単に「解き方」を覚えて「適用する」という入試問題の解き方であれば、準備期間が短くても、集中して取り組むことである程度対応できるようになりますが、「考える力を伸ばす」という視点に立つと、一定期間以上の学習経験が必要になってくることはご理解いただけるのではないかと思います。私のイメージとしては小3から小4で「考える力の土台をつくる」、さらに小4から小5で「入試に必要な単元を導入する」、小5の後半から小6にかけて「自分の力で考えて答えるトレーニングをする」というように考えています。言い方を変えると、下記のようになります。


小3~小4→「頭の中の『タンス』をしっかりとつくる、タンスにきちんとした『引き出し』をつくる」
小4~小5→「タンスの引き出しに知識をきちんと整理して入れていく」
小5~小6→「複数の引き出しを開けながら、知識を組み合わせて考え、問題を解くためのトレーニングをする」


今回のご質問で一番心配されているのは「早い時期からの塾通いは『息切れ』しそう」というところだと思います。よくご相談いただく内容ですが、この点に関しての私の答えは決まっています。「早い時期からのスタートだからこそ、『息切れ』しないんです」というものです。


まず、このようにお考えになる保護者様の意識の根底にあるのは、「勉強は大変だ」「勉強するのはつらい」「勉強させるのは子どもにとってかわいそうだ」というお気持ちなのではないでしょうか。実は小学校低学年から中学年(小3・小4)までの子どもにとって、塾の授業や宿題などは、決して「つらい」ものではないのです。新しいことを学ぶこと、できなかったことができるようになることなどは、子どもにとっては「つらい」どころか「楽しく」感じるものだとお考えいただければと思います。小3の授業の中で、難しい問題に取り組んでいる生徒たちの真剣な表情、できなかった問題の解説を聞いてわかったときのうれしそうな表情を見ると、本当に楽しんでくれているのがわかります。


その一方で、大人の接し方によって、子どもは「勉強はつらい」「勉強するのはイヤだ」と思うようになってしまいます。「がんばっていることを評価せずに、出てきた結果で(マイナスの)評価をする」「我慢を強いられるような学習方法を無理やりやらせる」というような接し方をしてしまうと、「勉強することの本質的な楽しさ」よりも「勉強はつらい」という印象が勝ってしまい、勉強や学習に対してネガティブな考え方を持つようになっていってしまうはずです。


中学受験のカリキュラムでの学習を進めていくと、小学5年以降は「大変な」、ときには「つらい」と思うような学習単元も出てきます。そういった場面を乗り越えられるのは、小3から小4の時期に「学ぶことの本質的な楽しさ」を経験したことのある生徒なのです。さらに、たとえ完全でなくとも、この時期に「考える力の土台」がある程度できていれば、「難しい」と感じるような問題に直面したときにも、それを自分で乗り越えられる力が身に付いているはずです。そういった点から、私は「早期にスタートした方が『息ぎれ』しない」と考えています。


今回のアンケートの中には、まだまだたくさんのご質問が書かれていましたので、また次の機会にお答えしてまいります。

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