四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『全世界で祝う祝日 ~歴史の学習~』

2020.11.27

昨年の東京大学の英語の入試問題で、「新たに祝日を設けるとしたら、あなたはどのような祝日を提案したいか。その祝日の意義は何か。また、なぜそのような祝日が望ましいと考えるのか。60~80語の英語で説明しなさい。なお、この場合の祝日は、国民のための祝日でもよいし、国内外の特定の地域、もしくは全世界で祝うようなものでもかまわない」という問題が出題されたのをご存じの方も多いでしょう。英語という科目が単なる語学学習ではないことを象徴しているような問題だと、個人的には考えています。


「全世界で祝う祝日」という点を少し考えてみました。「全世界で」と考えると、そのような祝日はいまは存在していないでしょう。唯一、元日がそれに近いような気もしますが、少しニュアンスが違うようにも思います。しかし、現在世界中で感染が広がっている新型コロナウイルスがもし完全に根絶できる日がきたら、それは全世界で祝う日となるかもしれないと考えています。そんな風に考えると、世界の歴史・人類の歴史にとって、とても大きな意味を持つ一年だったのだろうと、まだ感染拡大が続いている中ではありますが、そんな風に思っています。


毎年、年末に発表される「流行語大賞」ですが、新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、きっと「東京オリンピック」に関連する言葉が並んでいたのではないでしょうか。2019年はラグビーワールドカップの「ONE TEAM」が大賞を受賞したように、今年もスポーツ関連の言葉が多く候補として取り上げられていたはずです。しかし、現実は……。個人的には来年予定されている「東京オリンピック」は開催してほしいと思っています。もちろん、さまざまな人の健康や安全がしっかりと守れることを前提としてですが。


2020年は、世界中の「歴史」の教科書に載ることになる年でしょう。いまこの時代を生きているお子様が将来、親になったときに「あのときのコロナは大変だったんだよ」と子どもに話すことになるのではないでしょうか。


さて、早稲田アカデミーの(四谷大塚「予習シリーズ」の)カリキュラムでは、小学校5年生の9月から1月までで「歴史(日本の歴史)」を扱うことになっています。5カ月間で日本史をすべて学ぶことになりますので、ある意味ハードなカリキュラムになっているのですが、中学受験での歴史の出題は、高校や大学受験とは異なる部分がありますので、しっかりと学習をすれば仕上がるようになっています。私が社会を担当するときは、細かい知識よりも全体像を把握することに重点をおいていました。毎週新しい時代を学習していきますので、ともすればその週の知識(人名や年号)などを覚えるのに精いっぱいになってしまい、大きな時代の流れの理解がおろそかになってしまうケースがあります。各時代の細かい知識はある程度覚えていても、「平安時代」と「鎌倉時代」の前後関係がわかっていない、というようなことがまれにあります。まずは、大きな流れを理解し、そこから細部へという学習が、特に歴史においては大切だと考えています。


11月の終わりから12月にかけて、小5の歴史学習は「近現代史」に入っていきます。12月までで「明治・大正時代」が終わり、1月には「昭和時代」という単元が予定されています。初めて「昭和時代」という文字を見たときには「ドキッ」としました。「昭和が『時代』になってしまったのか……」というような思いで、私自身が「昭和の人間」だと思っていたので、まるで「時代遅れ」になってしまったような気もして……。


ただ、ふと考えてみたときに、私の人生の中でももうすでに「昭和」を生きていた時間よりも、「平成」を生きていた時間の方が長くなっていることに気が付きました。とするならば、私も「平成の人間」ということになるのかなとも思うわけです。


以前、小学5年生のお弁当の時間に、「江戸時代は何年続いた?」という質問をしてみました。「えっと……260年くらい」と頭の中で計算して答えてくれました。次に「江戸時代が終わってから今まではだいたい何年?」と聞いてみたところ、頭の中で計算していました。「大政奉還が1867年、明治元年が1868年だから、だいたい150年くらいだね」と話をしたところ、「あれ?」という顔をした生徒が何人かいました。
そうなのです、江戸時代の始まりから終わりまでよりも、江戸の終わりから今日までの方が100年ほども短いのです。江戸時代は「鎖国」の影響もあるでしょうが、文化は成熟したとしても、文明や科学の進歩スピードは速くはなかったのでしょう。そして、その後の150年の進歩スピードは目覚ましいものであったのだと感じています。そう考えると、いま目の前にいる生徒たちが社会に出て活躍する20年後・30年後にはどんな世界になっているのかと、ふと考えることがあります。


想像できないほど進歩した世の中で、大きく広く飛躍していく生徒の姿を思い描きながら、今日も授業をしております。

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