四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『アッシュ・ケッチャム』

2021.06.02

アッシュ・ケッチャム(Ash Ketchum)という人物をご存知でしょうか。
日本人でこの名前を知っている方は多くないと思いますが、日本名は「サトシ」です。実はポケモンの主人公の英語版での名前なのです。アメリカの子どもたちが親近感を覚えるように、「サトシ」という日本名ではなく、「アッシュ」という名前にしたそうです。調べてみたところ、アメリカでポケモンアニメ(英語版)が放映されたのは1998年からでした。いまから23年も前のことなのですね。いまでもポケモングッズ(筆箱や水筒など)を持っている小学生がいることを考えると、少し驚きです。


さて、その英語版アニメの中に有名な場面があります。それは登場人物が「おにぎり」を食べている場面で、その「おにぎり」が「ジャムの入ったドーナツ」という表現で語られているのです。画面に映っているのは、明らかに三角形のおにぎりなのに……「ドーナツ」。これも当時のアメリカの子どもたちにとって、「おにぎり」は一般的ではなかったことから変えられたそうです。それから20年以上経っており、日本食がアメリカでもある程度理解されるようになっている現在では、アメリカでも「なぜ、おにぎりがドーナツになっているんだ」という話も持ち上がっているようです。個人的には「おにぎり」を「ドーナツ」と表現してしまうのは、違和感があります。せめて「ハンバーガー」や「サンドイッチ」なら、簡便な食事というイメージで納得もいくのですが。具として入っている「梅干し」や「昆布」を「ジャム」と言われてしまうと……。


近年、教育改革が進められる中で大きな話題となっているのが、英語教育改革です。「読む・書く」という学習から、「聞く・話す」を含めた四技能が必要になってきているという話はご存知の方も多いことでしょう。小学校でも5年生から科目としての「英語」が取り入れられ、中学校の授業はすべて英語で行われるようになってきています。中学入試では帰国生入試を除くと、英語を入試科目として取り入れている学校はまだまだ少数です。しかし、将来必要になると言われている「多様性」「協働力」といった点を考えると、小学生段階で、英語を学び外国文化に触れておくのは、大切なことだと考えています。


言語を学ぶというのは、単に「単語」や「文法」を学ぶことだけではなく、その言葉を使っている国や人の文化や考え方を学ぶということだと思っています。「おにぎり」を「ドーナツ」というように(これは極端な例かもしれませんが)、ちょっとした中にも「文化の違い」を感じ取り、それを理解して許容することはお子様の成長にも寄与するはずです。英語の学習を進めていて「英語の耳」ができていれば、日本版アニメの英語版なども面白い題材になるかもしれません。


高校入試の英作文で面白い問題を出題していた学校があります。
「日本の文化を知らない外国人を念頭において、○○について英語で説明しなさい」という問題です。この問題を出題したのは、国立のお茶の水女子大学附属高校なのですが、数年に渡って同じタイプの問題が出題されました。○○についてはもちろん年度によって異なっていて、「こたつ」「てるてる坊主」「梅雨」「割り箸」「おもてなし」といった言葉が入ります。「英語圏の文化を理解する」という手前で「自国の文化を正しく理解して、説明する」という観点での問題です。


この問題に対する考え方は、着眼力や論理的説明力を高めるという点から、小学生の国語学習でも応用できます。たとえば、「おにぎり」をテーマに考えさせてみるのも面白いでしょう。いきなり文章で書かせるのではなく、まずは「おにぎり」の特徴を列挙していきます。ここで発想力のトレーニングになるわけです。
・お米を使っている。
・食べやすい形になっている。
・家で食べるのではなく、持ち歩く「お弁当」のためにつくられる。
・手で握ることから、「おにぎり」という名前になっている。
・中には、ごはん(お米)に合うおかず(具)が入っている。
・よく使われる具は「梅干し」「鮭」「昆布」といったものである。
・最近は「日本のファストフード」として、海外のコンビニエンスストアなどでも売られている。
・箸やフォークを使わないで、手に持って食べられるので、食べやすい。


こんな内容を列挙したら、それを文章にまとめていくわけです。その過程の中で、「必ず入れなければならない要素」を考えていくことが必要になります。「おにぎり」で考えると、「米」「手で握る」「食べやすい」「具が入ることが多い」といった点が最低限必要になる要素でしょうか。この考え方は国語の記述(もちろん英語の作文)に応用ができるものです。


ちょっとした時間でできる「遊びの要素」が入った「思考トレーニング」です。よろしければ、塾の送り迎えの車や電車の中などで、お子様となさってみるのはいかがでしょうか。


気になったので調べてみました。英語版でも「ピカチュウ」は「Pikachu」だそうです。

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