四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『テストの結果』

2019.11.15

11月3日に「全国統一小学生テスト」が実施され、早稲田アカデミー各校舎の受験会場でも多くの方にご受験いただきました。各学年の受験者数などは、今後返却される成績帳票に記載されるはずですので、そちらでご確認ください。


さて、その成績帳票ですが、主催の四谷大塚からは昨日(11月14日)、早稲田アカデミーの各校舎に届いています。ご家庭への返却も始まっていますので、今回はその成績帳票の見方に関して触れさせていただきます。


まず気になるのは得点・偏差値・順位などの数字でしょう。全国規模の中でお子様がどれくらいの位置にいるのかはとても気になるところだと思うのですが、ここでご留意いただきたいのは、テストを受験している「母集団」です。「全国統一小学生テスト」は、全国規模で実施されています。2500を超える受験会場の多くが「塾」であることを考えると、その受験者層は平均的な小学生と比較をすると高いレベルにあるはずです。しかし、そこにおいても大きな学力差が存在します。今後返却される成績帳票には都道府県ごとの平均点や順位なども載っていますので、詳細はそちらをご覧いただきたいのですが、「中学受験のための塾(進学塾)が中心」の地域と、「中学受験のための塾が少ない」地域とでは、やはり差がついています。


同じような学習背景で学んでいる生徒の中での偏差値は、その母集団の中における位置づけを確認するためにはある程度の意味を持っているわけですが、「全国統一小学生テスト」の母集団が非常に幅広いことを考えると、ひとつの参考数値というようにご覧いただくのがよいと考えます。


では、偏差値を参考程度と考えると、成績帳票のどのようなところを見ればよいのでしょうか。
私はどのようなテストでも、結果を次の学習につなげていくためには、「正答率」を見ていただくことをおすすめしています。どれくらいの割合の受験生が正答したかがわかるのが「正答率」です。設問ごとにこの正答率とお子様の答案を比較分析していくと、お子様の状況がよくわかってくるはずです。単純にどの単元内容の理解が不足しているかだけではなく、そのテストを受験したときの精神状態まで見えてくることもあります。普段はほとんどしないようなミスを連発しているときは、「集中して受験できていなかったのかな」といった感じです。


全体の得点や偏差値が持つ意味も、正答率に注目して分析をすると、変わってきます。「正答率40%以上」の問題に全部マルがついていての偏差値60と、「正答率」が低い問題(30%以下)でも正解はあるが、60%台の問題でミスをしての偏差値60とでは、その対処法も違ってくるわけです。


正答率との比較をしてみると、テスト結果を評価するべきポイントも見えてくるようになります。「正答率が低い=難しい」問題ということができますので、その問題にマルがついていればほめてあげることができるわけです。しかし、極端に正答率が低い(5%前後)問題の場合は、「正しく考えて正解にたどりついて『解けた』」というよりも、「なんとなく答えを書いたら『あたった』」というケースもあります。この場合は、手放しでほめてしまうと、お子様は納得がいかないでしょう。「なんでもいいから書いてあたればいいんだ」というように考えてしまう危険性もあります。


また、設問スタイルによっても正答率の見方は変わってきます。例年の「全国統一小学生テスト」では、正答率が10%未満となるのはほとんど算数の問題です。国語の問題では低くても20%程度となっているのがほとんどです。実はここには設問スタイルが影響してきているのです。簡単に言うと、国語は選択肢の問題がほとんどです。選択肢が4つ用意されている問題の場合、なにも考えなくても4分の1の確率で正解を選ぶことになります。と考えると、もしその問題の正答率が25%だったとするならば、「とても難しい問題」だったということになるのです。


こういった点までを考慮すると、テスト結果の正確な分析はなかなか難しいものになります。早稲田アカデミーでは「全国統一小学生テスト」に関して、校舎責任者や学年担当講師が「テスト結果分析」のカウンセリングを実施させていただいておりますので、ご希望の方は校舎までお問い合わせください。現在、早稲田アカデミーに通塾されている方は、11月下旬から12月に予定されている個別面談にて、「全国統一小学生テスト」だけではなく、各学年の必修テストなども含め、さらには授業や家庭学習状況なども併せて、総合的にお子様の現状や今後の課題などについて、お話させていただく予定になっています。


さて、もう一方で、小学生の場合、テスト結果を左右するのは「学力」「学習定着度」だけではありません。一番大きなファクターとして「テストを受けたときの精神状態」があると、私は考えています。ある程度精神的に成長してくれば(高校生くらいになってくれば)、どんな状態でもその時点での100%の実力をテストにぶつけることができるようになります。しかし、小学生の段階では、常に100%の力を発揮するのは難しいものです。普段の教室とは違う会場でのテストであったり、出かける前に親子ゲンカをしたり、そんなこともテストの結果には大きく影響してくるものです。


今回の「全国統一小学生テスト」でも、いつもとは違う校舎の雰囲気の中、より気合が入って集中していたお子様もいるでしょうし、緊張してしまって普段だったらできる問題で失敗してしまったお子様もいらっしゃるかもしれません。

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