四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『顔』

2026.05.15

早稲田アカデミーでは5月から「クールビズ」が始まっており、男性職員はネクタイをせずに勤務しています。私はまだ半袖ワイシャツは着用していないのですが、しまっていた「ノーネクタイ用のワイシャツ」を連休中に引っ張り出しました。生徒たちは意外にそういうところに敏感で、「先生、なんかいつもと違う!」と声を掛けてくれた生徒もいました。


私たちも、お子様の様子や変化には注意を払うようにしています。以前、校舎で三者面談を実施したときの話です。お母様とお子様がお帰りになるとき、エレベーターの前でお子様に「そういえばメガネ変えたね」と声を掛けたところ、お母様がちょっと驚かれて、「メガネを変えたのもわかるんですね」とおっしゃいました。塾の講師は、私に限らずお子様の顔をよく見ているはずです。さすがにスニーカーが新しくなっていても気が付くことは少ないですが、髪型が変わったり、メガネが変わったりすればわかります。そのときも、お母様に「毎日ではありませんけれど、お会いしていますから」とお答えしました。


こんなこともありました。まだ入塾して間もなく、おとなしい性格で口数もそれほど多くない女の子がいました。ある日、私が授業前に校舎の前にいたところ、その子が登塾してきました。普段よりもにこやかです。その表情から、何か言いたげな雰囲気を感じました。「どうした? なんだかうれしそうだね」と声を掛けてみたところ、「誕生日なの、今日」と教えてくれました。「そうなんだね、おめでとう! プレゼントは何をもらったの?」というような言葉を交わした程度だったのですが、それから彼女の授業に参加する姿勢が少し変わったように思います。性格が変わるわけではないですから、一気に積極的になったわけではありませんが、授業中の笑顔が増え、手が挙がる回数も増えてきたようにも感じました。


生徒の表情を見て、注意の仕方やほめ方を変えることもあります。例えば、漢字テストで90点だった生徒が二人いたとします。一人は悔しそうな表情をしていて、もう一人はうれしそうな表情をしていたとしましょう。その場合、当然声の掛け方は変わってきます。クラス全体の合格ラインが90点と設定されていても、そこでの接し方を変えることで、生徒の気持ちも変わってくるわけです。前回は合格点だった生徒や、本来であれば十分合格点がとれる力を持っている生徒が、合格点に達せずにそれでも平然とした表情をしているときには厳しめに注意をしたりもするわけです。


我々がお預かりしているのは単なる「生徒」ではなく、「○○さん」という名前を持った、一人ひとり異なる「お子様」なのだということを、講師に向けた研修ではよく話しています。テキストに載っていることをどう教えるか、という知識や技術も大切なことではありますが、それ以上に「人として丁寧に、大切に接する」という視点が重要なのだということも伝えています。そのためには、毎回の授業やその前後で生徒と接するときに「顔や表情をよく見る」ことがスタートラインだと、私は考えています。前回の記事でも触れさせていただいた、早稲田アカデミーの教育理念「本気でやる子を育てる」ためにも、まずそこから始めるべきだとも思っています。


もちろん、ご家庭では我々以上に注意深くお子様の表情をご覧になっていることと思いますが、折に触れて「お子様の顔をあらためてよく見てみる」というのもよいのではないでしょうか。塾から出てきたときの顔、おうちに帰ってきたときの表情などから、お気付きになることがあるかもしれません。

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