
『旧学年の教材について』
2026.02.18
中学入試を終えてご挨拶に来てくださった受験生とお母様から、「さっそく部屋の掃除をしました」と伺いました。「取っておいたテキストやプリントを整理したんです。テキストは積み上げたらかなりの高さになって、記念写真を撮ってから廃棄しました」とのことでした。
この時期(学年移行期)には、保護者の皆様から「旧学年で使用していたテキストや教材は、どのように整理すればよいか」というご相談をいただくことがあります。年末に行った各学年の「新年度説明会」でも、学年の切り替わりの際には、まずご家庭で学習する環境の整理・整頓に取り組んでいただくとよいとお話ししました。「さぁ、新しい学年のスタートだ!」という気持ちをつくるためにも、学習部屋や学習スペースの整理(大掃除)から始めることをお勧めします。筆記用具やノートなどを新しくすると、さらに気持ちが前向きになることもあるでしょう。
そのときに悩ましいのが、「旧学年で使用していたテキストや教材」の扱いです。「もしかしたら使うかもしれない」と考えると、処分するのをためらってしまうこともあるはずです。テキストや教材の整理についてご質問をいただいた際、私は「テキストやノートは残しておくとよいでしょう。プリント類は処分していただいてもかまわないと思います」とお答えしています。
もちろん学年をまたいで使う教材(「考える社会科地図」や「星座早見ばん」など)は新学年になっても使いますが、原則として旧年度(前の学年)の教材を授業内で扱うことはありません。ただ、家庭学習において個別に使うようにアドバイスをさせていただくことはあります。
例えば、国語の予習シリーズは学年が上がると出題される文章の難度が上がります。「難しくなる」というより、「想定される読者の学齢が上がる」と表現してもよいかもしれません。読解力を高めるうえで「難しい文章を読む」ことも大切ですが、お子様の精神的な発達段階とあまりにもかけ離れているレベルの文章では「読んでも理解できない=字面だけを追って読んだ気になっている」というような悪循環に陥る可能性もあります。こういった場合、まず「文章を読んで理解する」という感覚を身につけるために、旧学年のテキストに載っている文章の読解をお勧めすることがあります。半年前、1年前にはよくわからなかった文章でも、時間が経ってから読んでみるとすんなり頭に入ってくるはずです。精神的な成長もありますし、その間にさまざまな経験を積んでいるため、理解が進むのです。算数や理科でも同様に、苦手だった単元でも、少し時間を置いてからひも解いてみると「なんだ、簡単じゃないか」と思えることが多いはずです。
教材を整理するうえで一番悩むのは「テスト」ではないでしょうか。カリキュラムテストの問題は、どのように整理・保管していらっしゃるでしょうか。「間違えたところは『直し』をしなければならないから……」というお考えのもとに残している場合も多いと思いますが、なかなか時間がとれずにたまってしまっている、というご家庭も多いのではないでしょうか。もしそうであれば、学年が変わるこのタイミングで処分をしてもかまわないと思います。
中学受験学習における毎週のテストは、「テストを受けること」に大きな意味があります。中学生以上のテストでは「抜けている部分を見つけて」「そこを埋める」ということが大切になるのですが、精神的に発達成長過程にある小学生にとっては、テストという場で真剣に問題に向き合うことこそが、学力向上につながる一番大切なポイントになります。言い換えれば、「テストの直し」は二の次だとお考えください。ましてここからは新学年のカリキュラムがどんどん進んでいくことになりますので、旧学年のテストの直しをしている時間はまずありません。つまり、とっておいたとしても、今後「教材」として活用することはないものということになります。
ただ「テキスト」も「ノート」も「テスト」も、お子様がここまで学習してきた証としては、ある意味大切なものであることも確かです。受験生が入試直前期に、それまでしまっておいた「塾通いを始めてからの全てのテキストやノート、プリント」を部屋中に広げて、「これだけやってきたのだから大丈夫!」と親子で会話をしたというお話を伺ったことがあります。
実は、私も小6のときに使っていた「予習シリーズ」が実家の書庫に残っています。
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