四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『君の算数は、もう苦手科目じゃない!』

2026.01.21

早稲田アカデミーでは、毎年塾生に「年賀状」を出させていただいています。今年の年賀状は「鬼滅の刃」のイラストが入ったものでした。担当講師がコメントを書く欄もあり、私も担当クラスの生徒たちにコメントを書きました。


小6クラスの受験生たちに向けた年賀状には、「雲外蒼天」という四字熟語をよく書いています。以前、将棋界の8タイトルを独占した藤井聡太八冠に内閣総理大臣顕彰が授与された際、藤井八冠が返礼品として寄贈した将棋盤の箱に「雲外蒼天」と揮毫された、というニュースを見ました。そのときに「私の好きな四字熟語と同じだな」と思った記憶があります。


自分が目標に近づけているのか……入試に向かう日々は、ときに先が見えずに不安になるものです。それは、周囲が見えない雲のなかにいるときの気持ちに似ているのではないか、と思うことがあります。この雲の先に、本当に青い空が広がっているのだろうか、このまま進んでいってよいのだろうか、方向は間違っていないだろうか……。そんな想いになるのもよくわかります。今までの人生を振り返ると、私自身にもそんな時期がありました。というよりも、常にそんな状態かもしれません。そんなときに思い出すのが「雲外蒼天」という言葉です。「困難を乗り越えれば、必ず明るい未来が待っている」というような意味の言葉ですが、「雲の外には青空がある=困難はいつまでも続かない」というように考えたりもしています。雲のなかで不安になっても、自分を信じて突き進めば必ずその外には青空があるというイメージでしょうか。不安のなかで立ち止まってしまうのではなく前を向いて頑張れ……。そんなメッセージのように思っています。四字熟語としては、字面からイメージがつかみやすいものの一つでもあります。また「蒼」「天」という漢字はイメージもよいため、使いやすい四字熟語だとも思います。受験生の机の前に、半紙に筆文字で書かれたものが貼ってある……そんな光景も想像できそうです。


年賀状では、「雲外蒼天」と書いた下に、生徒の顔を一人ひとり思い出しながらコメントを添えています。今年、ある生徒の年賀状には「君の算数は、もう苦手科目じゃない!」と書き添えました。


「算数は苦手だから……」とよく言っていた生徒でした。しかし、苦手だからと逃げるのではなく、「苦手だから……一番やる!」と言って、自習室でも一生懸命算数に取り組んでいました。授業中に私が話をしたことや、NNクラスの先生が言ったことをとてもよく覚えている生徒でした。「苦手だから集中して聞く」、そんな気持ちで取り組んでくれていたのでしょう。


「苦手意識を持つのはよくない」とよくいわれます。私も、多くの場合それは正しいと思います。「苦手だから……」の後に続く言葉が「だから、やりたくない」「だから、自分には無理」というものであれば。しかし、彼のように「苦手だから、もっと頑張る」と思えるのであれば、苦手意識があってもよいと思うのです。そう考えて取り組んだ結果、少しずつ問題が解けるようになり、成績も上がってくれば、それは大きな成功体験となるように思います。


入試直前期の今、その生徒は算数で合格点が取れるようになりました。「気休め」ではなく、心の底から「よく頑張ったな」と思って書いた一言です。年明け最初の授業で「年賀状ありがとうございました。算数が苦手科目じゃない、っていう言葉は自信になります」と言ってくれました。きっと志望校の合格をつかんでくれると思った瞬間です。


早稲田アカデミーは、「成績を伸ばして合格させる」進学塾です。それが進学塾としての本来の価値であるのは間違いありませんし、成績向上と合格には徹底的にこだわっている塾だと自負しています。ただ、入試に向けた学習を進めていくなかで身につくものは、単なる「知識」や「解法テクニック」だけではありません。高い目標に向けて真剣に取り組む経験は、「困難に立ち向かう強い意志」や「挫折に負けない心」につながっていくはずです。彼の心に生まれた「苦手だから、頑張る」という気持ちも、その一つだと思っています。

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