
『夏から秋へ……』
2026.08.26
夏期講習会も最終盤にさしかかっています。いよいよ二学期がスタートします。
毎年9月には、生徒たちの学習に対するモチベーションが低くなる傾向があります。「夏期講習会で懸命に頑張った」、その疲れが出てしまうこともありますし、「頑張ったから、ちょっと休んでもいいかな」、そんな気持ちが意識せずとも出てきてしまうタイミングだと思います。さらに、夏休み明けのテストで思うような結果が出なかった場合には、「あんなに頑張ったのに……」という気持ちになってしまうこともあるでしょう。
夏休みの終わりや二学期の初めには、多くの塾で規模の大きなテストが行われます。「夏の成果を試すテスト」となると、生徒はもちろんですが、保護者の皆様も結果が気になるところだと思います。「夏に頑張った分だけ、きっと成績も上がってくるだろう……」そんなふうに期待される方も多いでしょう。夏期講習会や合宿・集中特訓で頑張った生徒の学力は、もちろん確実に伸びているはずです。しかし、その結果が「夏の終わりのテスト」で数字として表れるかどうかは、お子様のタイプによっても違いますし、当日のテストによっても変わってくるものです。また、偏差値は、他者との比較によって算出される相対的な指標です。そのため、「自分と同じように頑張った生徒たちと受ける」という点を考えると、大きな変化が生まれないことにもご納得いただけるのではないでしょうか。逆に偏差値が大きく変わっていなければ、学力は着実についてきているとお考えいただいてもよいでしょう。夏休みに懸命に頑張っていたお子様の姿をご覧になっていた保護者の皆様は、結果が数字としてすぐに出てこないと不安になったり、努力をしていたお子様がかわいそうに思えたりするかもしれません。しかし、頑張った成果は必ずお子様の中に蓄積されているものだとお考えください。
そして、いよいよ二学期のスタートです。私は、毎年9月の初回授業で「二学期からの学習について」という話をしています。そのときによく話すのが、「○○の秋」という話です。ホワイトボードに「○○の秋」と書き、◯に何が入るのかを聞いてみます。生徒たちからよく出てくる答えは、まず「食欲」、次に「読書」、そこから「スポーツ」に「芸術」、「実りの秋」と答えてくれる生徒もいます。「勉強」という言葉が出てくるまで、聞いていきます。年によっては最初に「勉強!」と言ってくれる「優秀生」がいることもあるのですが……。そして、その後で「勉強」だけではなく、「すべてに一生懸命に取り組む秋」にしていこうという話をします。気候的にも過ごしやすい時期なので、いろいろなことに全力で取り組み、充実した二学期にしていこうというような内容です。
充実した二学期にするためには、いろいろなことに手を出して、たくさんのことをしていけばよいわけではありません。どの学年でも、進学塾の二学期のテキストは一学期と比較して、カリキュラムスピードも難度も一段階上がります。家庭学習に必要な時間も一学期より増えていくのが一般的です。「宿題量」が増えるのではなく、一つの問題に要する時間が増えることになるわけです。言い換えれば、家庭での学習密度を高めることが必要になってきます。ダラダラと机の前に座っているのではなく、集中して宿題を進めるような学習に切り替えていくことが必要になってくるはずです。
小6受験生は夏休みに、ここまでに学習してきた単元学習の総まとめを行いました。そこで各科目の「穴」や「抜け・漏れ」は克服したことになります。そして、いよいよ二学期は志望校の入試問題で「合格点」を取るための学習になっていきます。過去問演習も始まり、制限時間内で合格点を取るトレーニングが大切な時期となるわけです。この時期に、私が受験生に話をしているポイントは、「学習効率を高める」ということに尽きます。同じ時間で学習できる「量」を増やす、というイメージです。よく使うのは「時間単位の学習密度を高める」という言葉です。受験までの日数・学習できる時間数が同じでも、その時間の中で「取り組む学習量」に差をつけることができれば、合格に近付くことになるはずです。
ただ、小6の秋になって初めて「時間単位の学習効率を高める」ことを意識し始めても、なかなかうまくいかないものです。夏休み中に「受験生としての意識」を高めることができれば、秋からの取り組み方が変わってきて、学習姿勢もよくなってはきますが、より上のレベルで「効率のよい学習」を行うためには、非受験学年において「集中して学習に取り組む経験」を積んでおくことが大切だと考えています。
小5までの非受験学年であれば、与えられている課題も受験学年の秋に課される内容と比べてそこまで多くありません。それでも、かなりの時間がかかっているお子様も多いのではないでしょうか。場合によっては、机の前に「ボーっと」座っているだけで実際には手も頭も動いていない、そんなケースもあるかもしれません。非受験学年の保護者の皆様に一番お願いしたいのは、そういったお子様の状態をしっかりと見ていただいて、なるべく効率の良い学習スタイルに切り替えていっていただくことになります。まずは「学習時間の長さ」よりも、「学習効率」を意識していただければと考えています。
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