四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『前学年のテキストや教材をどうするか』

2023.01.18

先週末に「大学入学共通テスト」が行われました。「高大接続システム改革」の中で、「大学入試センター試験」から切り替わり、3回目となる「大学入学共通テスト」でした。この時期から、日本全国が「受験シーズン」に突入し、テレビ番組などでも「入試・受験」という話題が取り上げられることが多くなっているようです。埼玉県私立中の入試はすでに始まっており、早稲田アカデミーの合格実績もホームページ上で公表されています。よろしければご覧ください。今年の受験生たちもがんばっています。


前回に引き続き「新学年への準備」について。今回は旧学年で使用をしていたテキストや教材をどのように整理するかという点についてお話しさせていただきます。


まず、学年の切り替わりの時期には、ご家庭で学習する環境の整理整頓をするところから始めていただくことをおすすめしています。「さぁ、新しい学年のスタートだ!」という気持ちをつくるためにも、学習部屋や学習場所の整理(大掃除)をするのがよいと思います。そこで筆記用具やノートなども新しくすれば、さらに気持ちが前向きになることでしょう。


早稲田アカデミーの標準日程では、1月末で旧学年の授業が終了します。そして2月の初旬は都内・神奈川の中学入試が多くの学校で行われるため、また新学年準備として、非受験学年の通常授業(小学部)は数日間お休みとなります。この期間に「大掃除」を進めてはいかがでしょうか。


さて、そのときに悩むのが「旧学年で使用していたテキストや教材」の整理です。「もしかしたら使うかもしれない」と考えると、整理や処分するのがためらわれてしまうこともあるでしょう。私はテキストや教材の整理についてご質問をいただいたときに、「テキストやノートはとっておいた方がよいでしょう。プリント類は処分していただいてもかまわないと思います」とお答えしています。


もちろん学年をまたいで使う教材(「考える社会科地図」や「星座早見ばん」など)は新学年になっても使いますが、原則として旧年度(全学年)の教材を授業内で扱うことはありません。ただ、家庭学習において個別に使うアドバイスをさせていただくことはあります。


たとえば、国語の予習シリーズは学年が上がると出題されている文章の難度が上がります。「難しくなる」というよりも「読む対象とされている学齢が上がる」と表現してもよいかもしれません。読解力をつけるためには、「難しい文章を読む」ことも大切ですが、お子様の精神的な発達段階とあまりにもかけ離れているレベルの文章では「読んでも理解できない=字面だけを追いかけて読んだ気になっている」というような悪循環に陥る可能性も出てきてしまいます。こういった場合、そもそもの「文章を読んで理解する」という感覚を身に付けるために、旧学年のテキストに出てくる文章の読解をおすすめすることがあります。半年・一年前には読んでもよくわからなかった文章でも、時間が経ってから読んでみるとすんなり頭に入ってくるはずです。精神的な成長もありますし、その間にいろいろな経験を積んでもいますから、「すっと」理解できるわけです。算数や理科などでも同様に、苦手だった単元でも、少し経ってからひも解いてみると「なんだ、簡単じゃないか」と思えることが多いはずです。


教材を整理するうえで一番悩むのは「テスト」ではないでしょうか。カリキュラムテストの問題は、どのように整理保管していらっしゃるでしょうか。「間違えたところは『直し』をしなければならないから……」というお考えのもとに残している場合も多いとは思いますが、なかなか時間もとれずにたまってしまっている、というご家庭も多いのではないでしょうか。もしそうであればここで処分をしてもかまわないと思います。


中学受験学習における毎週のテストは「テストを受けること」に大きな意味があるテストです。中学生以上のテストでは「抜けている部分を見つけて」「そこを埋める」ということが大切になるのですが、精神的に発達成長過程にある小学生にとっては、テストという場で真剣に問題に向き合うことが学力向上につながる一番大切なポイントになります。言い換えれば、「テストの直し」は二の次だとお考えください。ましてここからは新学年のカリキュラムがどんどん進んでいくことになりますので、旧学年のテストの直しをしている時間はまずありません。つまり、とっておいたとしても、今後「教材」として活用することはないものということになります。


ただ「テキスト」も「ノート」も「テスト」も、お子様がここまで学習してきた証としては、ある意味大切なものであることも確かです。以前担当していた生徒のお母様から、入試直前にそれまでしまっておいた「塾通いを始めてからの全てのテキストやノート、プリント」を部屋中に広げて、「これだけやってきたのだから大丈夫!」と親子で会話をしたというお話をうかがったことがあります。


実は、私も小6のときに使っていた「予習シリーズ」が実家の書庫に残っています。

同じテーマの最新記事

2023.01.18 『前学年のテキストや教材をどうするか』
2023.01.13 『2月からは新学年!』
2023.01.11 『謹賀新年② ~人との出会い~』
2023.01.06 『謹賀新年① ~正月特訓を終えて/イタズラ書きと深呼吸の仕方~』
2022.12.23 『本を届けるサンタクロース ~今年も一年ありがとうございました!~』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー