
『集中力』
2026.03.13
保護者の皆様からよくご相談いただくことに、「子どもの集中力が続かなくて……」というものがあります。一週間の学習スケジュールを立てるにあたって、「○年生の子どもは、一般的にはどれくらいの時間集中して学習できるものですか」とお尋ねいただくこともあります。
学習効果を高め、成績を向上させるために「集中力」はもちろん必要です。知識を覚えるときに集中力が欠けてしまえば記憶に残りませんし、問題を解いているときであれば正解までたどり着かないことになってしまうでしょう。テスト中になんらかの要因で「集中力」が切れてしまったときなどは、実力を大きく下回る成績になってしまうこともあります。
どの科目でも「集中力」は大切ですが、なかでも国語の文章読解は、「集中力」による差が表れやすい問題です。文章を読んで全体の内容や構成を理解し、それを頭のなかに入れた状態で問題を解いていくのが国語の文章読解問題です。算数であれば文章問題であってもせいぜい5分程度、一つの問題を考えていればよいのですが、国語の場合には少なくとも10分以上の時間をその文章に割かなければなりません。その間ずっと、頭のなかにその文章を置いておかなければならないわけです。いったん集中力が途切れてしまえば、そこで文章内容は頭のなかからどこかに消えていってしまいます。そうすると、もちろんその先の問題を解くことはできません。それがテストであれば、選択肢を適当に選んだり、マス目を適当に埋めてみたり……。結果、トンチンカンな答案になってしまい、それをご覧になった保護者様は「文章が全然理解できていない」と感じてしまうわけです。そして、「うちの子は読解力がない、理解力がない、国語は苦手」というような評価につながり、それを感じ取ったお子様自身も「自分は国語が苦手」と思い込んでしまうことになります。こうなってしまうと、悪循環に陥りかねません。お子様は、問題を解いていても苦手意識が先に立って、自信のないまま選択肢で悩んだり迷ったり、記述問題でも空欄のまま残してしまったり……というような状態に陥ってしまいます。
さて、では「子どもが学習に集中できていないようだ」と感じられたとき、皆様はどうなさいますか。「もっと集中しなさい!」と声を掛ける方も多いのではないでしょうか。しかし、実はその言葉の効果はあまり高くありません。「自分は今集中できていないんだ」、と認識することにはつながるかもしれませんが、「どうすれば集中できるか」は、お子様自身ではまだまだ解決できないはずです。では、どのようにすればよいのでしょうか。
私は、小学3・4年生ごろまでは、集中できていないときには学習を継続しない方がよいと考えています。集中できていないのに無理やり学習を続けさせてしまうと、ダラダラとした学習になってしまいます。時間ばかりかかってしまい、そこでは頭はほとんど回転していない……そんな状態が続きます。一番怖いのは、そんな状態を「勉強している」と思い込んでしまうことなのです。
「時間をかけて勉強してはいるのだけれど、成果につながらない」という悩みをお持ちの方に、お子様の家庭学習のご様子を伺うと、上記のようなダラダラ学習を継続してしまっていることが多くあります。お子様が「集中していないな」と感じられたときは、いったん学習を打ち切ってしまうのも一つの方法です。
そして、ここからが大切なのですが、集中できていない要因を探るようにしてください。お腹が減っている、体が疲れている、見たいテレビをやっている、などの外的な要因もあるでしょうし、悩みごとや不安なことなどの内的要因の可能性もあるでしょう。お子様がどんなときに学習に集中できないのかをしっかりと把握をすることは、家庭学習の成果を高めるためにとても大切な保護者の方の役割とお考えください。
「集中力を高める」ための手法の一つとして、テストの活用があります。小学生が最も集中して問題に取り組み、頭を働かせるのはテストのときだといわれます。テストを受けているときは、誰も助けてくれません。自分の力で「解き切る」ことが必要になります。そして、テストの結果は数字で出ます。お父様やお母様に褒めてもらうために、叱られないために、あるいはクラスのライバルに勝つためにも、「よい結果」を出したいという気持ちは、特に小学生の場合強いものです。
そして、テストには必ず制限時間があります。その時間中は否が応でも「集中し続ける」ことが求められます。特に他の生徒と同じ空間(教室)で受験している場合は、刺激もあり、自分だけがボーっとしているのはためらわれることでしょう。
「集中力」をいきなり向上させる特効薬などはありません。お子様の成長段階や性格・タイプを理解して、集中できる環境やタイミングでの学習を継続させることで経験が身につき、あわせて精神的な成長が伴ってくれば、自然と小学生としての「集中力」は身についてくるものです。
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