
『「勉強がつらい」を乗り越えられるのは……』
2026.10.21
早稲田アカデミーへのご入塾を検討されている方から、次のようなご質問をいただきました。
「以前は、小学生が塾に通うのは小5からだったと思いますが、今は小3からが一般的なのですか? 周りのお母様方が熱心に塾探しをされているのですが、あまり早い時期からだと『息切れ』しそうで心配です。(小2男子)」
実は、私自身も中学受験を経験しているのですが、四谷大塚に通い始めたのは、確か小5の二学期からでした。そのころの「予習シリーズ」で「小6の発展問題」に載っていた問題が、今は「小4の基本問題」に載っています。もっとも、私が小学生だった時代は「ひと昔」ではなく「ふた昔」以上も前のことになりますが……。
中学入試は、どんどん進化しています。一つひとつの問題が「複雑になった、難しくなった」というよりも、「より深く考える」タイプの問題が増えている、というイメージでお考えいただくとよいかもしれません。単に「解き方」を覚えて「適用する」という問題の解き方であれば、短い期間でも集中して学習に取り組むことで対応できるようにもなるのですが、「考える力を伸ばす」という視点に立つと、一定期間以上の学習経験が必要になってくるのはおわかりいただけるでしょう。私のイメージとしては小3から小4で「考える力の土台をつくる」、さらに小4から小5で「入試に必要な単元を導入する」、小5の後半から小6にかけて「自分の力で考えて答えるトレーニングをする」というように考えています。言い方を変えると、下記のようになります。
小3~小4→「頭の中のタンスをつくる、タンスにきちんとした引き出しをつくる」 小4~小5→「タンスの引き出しに知識をきちんと整理しながら入れていく」 小5~小6→「複数の引き出しを開けながら、組み合わせて考える、解くためのトレーニングをする」
ご質問いただいた方が一番心配されているのは「早い時期からの塾通いは『息切れ』しそう」というところだと思います。このご質問についての私の答えは決まっています。「早い時期からのスタートだからこそ『息切れ』しない」というものです。
まず、このようにお考えになる保護者様の意識の根底にあるのは、「勉強は大変だ」「勉強するのはつらい」「勉強させるのは子どもにとってかわいそうだ」というお気持ちなのではないでしょうか。しかし、実は小学校低学年から中学年(小3・小4)までの子どもにとって、塾の授業や宿題などは、決して「つらい」ものではないのです。「新しいことを学ぶ」、「できなかったことができるようになる」ということは、子どもにとっては「つらい」どころか「楽しく」感じるものだとお考えいただければと思います。小3の授業で難しい問題に取り組んでいる生徒たちの真剣な表情、できなかった問題の解説を聞いてわかったときのうれしそうな表情などを見ていると、本当に楽しんでくれているのがわかります。
一方で(言い方は難しいのですが)、「勉強はつらい」「勉強するのはイヤだ」と思わせるのは簡単です。「頑張っていることを評価せずに、出てきた結果でマイナスの評価をする」「我慢を強いるような学習方法を無理やり押し付ける」というような接し方をしてしまうと、「勉強することの本質的な楽しさ」よりも「勉強はつらい」という印象が勝ってしまい、勉強や学習に対するマイナスのイメージが強くなってしまうはずです。
中学受験に向けた学習を進めていく場合、小5以上になると「大変な」、ときには「つらい」と思うような学習単元も出てきます。そういった場面を乗り越えられるのは、小3から小4の時期に「学ぶことの本質的な楽しさ」を経験したことのある子どもなのです。
小3の時点で「考える力の土台」がある程度できあがっていれば、「難しい」と感じるような問題に直面したときにも、それを自分で乗り越える力が身についているはずです。そういった点からも、私は「早期にスタートした方が『息切れ』しない」と考えているのです。
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